
奥多摩に生まれた社会実験的な駄菓子屋
東京最西端のまち・奥多摩にある「ニュー駄菓子屋サンマ(以下、サンマ)」は、2024年10月1日にオープンしました。人口減少が著しい奥多摩町で、「子どもたちが安心して過ごせる持続可能な居場所をつくれないか」という問いから生まれたお店です。サンマという名前は、仲間・空間・時間の“3つの間” に由来しています。子どもたちが誰かと出会い、同じ場所で過ごし、何気ない時間を共有できる場にしたい。そんな思いが込められています。

店長の村上天悠(てんゆう)さんは、中野区で「中野若者会議」に参画して若者の声を社会に届ける活動に取り組んできました。その後奥多摩に移住し、奥多摩では子ども・若者が地域や社会に自分の意見や思いを伝えられる場が限られていることに気づきました。「子どもたちが地域や社会と関わるためには、まず日常の中で自分の意思で安心して立ち寄れて、人との出会いの中から小さな経験を重ねられる場所が必要だと考えました。子どもたちが利用しやすい場所を模索した結果、“駄菓子屋” という形にたどり着きました」と村上さんは話します。
大人と子どもがともにつくるサードプレイス
サンマはもともと空き家だった場所を借り上げてつくられました。1階には駄菓子屋スペースとカフェ、奥には掘りごたつを囲んだ読書スペースなどがあり、子どもたちは無料で漫画を読んだり、思い思いにくつろいだりできます。2階は「みんなのスペース」として、ボードゲームや射的などを楽しめる場所になっています。

レジ横には、サンマのオリジナルコイン“サンマコイン” を入れるケース(写真)が3つあります。大人が日常的に飲む1 杯が子どものためになるというリアリティを物質的に体感してもらうこと、その使途を選ぶことで社会参画を気軽に体験してもらうこと、この2つがシステム導入の大きな狙いです。
大人がドリンクを購入するとサンマコインが手渡され、「おもちゃ・漫画等の充実」「子どもの買物に充当」「店内環境の改善」の3つのケースの中から選択して、自分が応援したい取組みのケースにコインを入れます。大人は楽しみながら気軽にお店づくりに関わることができ、子どもはサンマを訪れることで、人と出会い、遊び、くつろぎながら、時間を過ごすことができます。
地域のみんなでつくるサードプレイスであるために
これからの展望について村上さんは、「サンマが子どもたちにとってのサードプレイスであり続けるためには、民間だけでなく行政も含め、地域全体で支えていく取組みにしていくことが大切だと思います。民間による居場所づくりの一例としてサンマの取組みを広く知っていただき、それぞれの地域に合った様々なサードプレイスの誕生につながっていったら嬉しいです」と語ります。
ニュー駄菓子屋サンマ
- 場所: 東京都西多摩郡奥多摩町氷川151-1
営業時間: 毎週火・木・日: 13時~ 18時、土: 13時~ 20時 ※店主都合により不定休あり
https://www.dagashi-sanma.com/





