Ⅰ 江戸川区の地域福祉活動
江戸川区は、東京23区の東に位置し、区の東側には江戸川、西側には荒川・中川が流れています。面積は49.09平方キロメートル、人口は697,343人(令和7年10月住民基本台帳)の、水と緑が豊かな地域です。近年は若年層の転入も多く、外国人住民、とりわけ葛西地区を中心にインド系住民が増加傾向にあります。
(1)ともに生きるまち江戸川をめざし、区民参加型でビジョン策定
江戸川区は早くから福祉・子育て施策に力を入れており、「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」や「SDGsビジョン2030」など、多様性と持続可能性を軸としたまちづくりを政策的に進めています。

令和4年8月に策定された「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)」では、年齢・性別・国籍・障害・病気などに関わらず、多様な個人が互いに認め合い、支え合いながら暮らせる「ともに生きるまち」を目指しています。策定にあたり、区民からの意見募集、オンラインミーティング、テーマ別ワークショップ(全11回)、パブリック・コメントを実施し、区民の意見を反映しながら策定が行われました。
令和5年には「2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)実現に向けたアクションプラン」もとりまとめられ、①人とともに生きる、②社会とともに生きる、③経済とともに生きる、④環境とともに生きる、⑤未来とともに生きる、という5つの視点で各分野における取組みの方向性が示されています。

(2)「なごみの家」を基盤としたコーディネーター体制
地域包括ケアシステムを推進する構想の中で、高齢者だけでなく全世代を対象とする“地域のよりどころ”として、日常生活圏域ごとに拠点を設けようという発想から生まれたのが「なごみの家」です。「なごみの家」は平成25年に構想が始まり、平成28年に3所の「なごみの家」を開設しました。日常生活圏域(徒歩30分圏内)である全15圏域のうち、9か所に設置されています。
各「なごみの家」にはコミュニティーソーシャルワーカー(CSW)が2名ずつ、生活支援コーディネーター(SC)が1名(CSW兼務)ずつ配置されており、SCは「なごみの家」の各所長が務めています。
「なごみの家」全体の運営とりまとめは、区から社協へ委託しています。「なごみの家」は、3か所を社協が運営し、残る6か所を社協が委託する別団体が運営しています。社協から運営を委託されている団体は社会福祉法人・学校法人・株式会社など多様であり、それぞれの特長や地域特性、ネットワークを活かして活動を展開しています。

運営法人が異なるだけでなく、担当する圏域の地域性も様々であることから、「オール江戸川」として一律のやり方で進めるのではなく、圏域単位で考え・活動する分散型の運営であることが江戸川区の大きな特徴です。とはいえ、各「なごみの家」同士は月1回の定例打合せ会議、CSWによる連絡会・研修会などを通じて連携が図られ、相談記録や活動データを共通システムで管理・共有することで、横のつながりも維持されています。
「なごみの家」ができてから今年で9年。どの「なごみの家」もスタート当初から運営主体が変わることなく継続した活動を行っているため、より地域に根差した取組みが行えるほか、各「なごみの家」同士の連携・協力もしやすい関係性が構築されています。








