江戸川区福祉部 (社福)江戸川区社会福祉協議会
「なごみの家」を中心に拠点ごとに進める地域づくり―江戸川区における重層的支援体制整備事業の取組み
NEW 掲載日:2026年2月3日

Ⅱ 重層的支援体制整備事業の実施状況  

(1)事業の位置付け

 江戸川区では「なごみの家」によるこれまでの取組みに当てはめる形で、重層的支援体制整備事業が導入されました。属性や対象を限定しない「なんでも相談」を受け付けており、関係機関との連携に対する知識や実践を積んでいる「なごみの家」を中心に、「既存の活動の延長線上で、庁内連携についても仕組み化していく」という方針で重層事業を進めています。

(2)これまでのネットワークを活かした多機関協働

 江戸川区では全ての部署が多機関協働事業者の役割を担い、課題を解決する持続可能な体制の構築を目指しています。併せて、これまで「なんでも相談」の機能を有し、各関係機関・地域住民らとともに課題解決を行ってきた「なごみの家」も、多機関協働事業者の役割を担っています。ケースによっては、相談を受けた部署と「なごみの家」が連携し、「なごみの家」のCSWがこれまで構築してきたネットワークを活かして各支援機関との橋渡し役となりながら、課題の解きほぐしや整理を行います。

 重層的支援会議については、本人同意を得ることが難しく、まだ開催には至っていません。支援が必要と考えられるが同意を得られていないケースについては、福祉推進課がとりまとめ、開催する支援会議を活用しながら、各機関での情報共有を行い、支援方針や役割分担を話し合うことで対応しています。

 支援会議に挙がるケースとしては、他の制度にて対応が難しい、いわゆるごみ屋敷に関するものが多い傾向があります。既存の会議等において、多様な機関が参加する体制づくりができているため、重層事業では、まだどの福祉窓口にも繋がっていない方への対応をメインに扱うこととしています。このようなケースについては、重層事業以前から「なごみの家」にて発見・対応することがありましたが、重層事業によって更に広く関係機関との連携が望めると期待しています。

 連携のために「地域連携シート」という共有ツールも作成しましたが、現在はその活用よりも、「なごみの家」や各窓口・各機関が直接連絡を取り合える関係性づくりに力を入れています。支援者同士の情報共有において、本人に対する配慮の機微などが伝わる関係性を目指し、こまめな連絡を心掛けるだけでなく、2ヶ月に一度は広報物を持って顔を見せに行く機会も作るようにしています。

(3)「地域支援会議」とCSW活動の見える化・評価

 生活支援体制整備事業における協議体に位置付けている「地域支援会議」では、地域課題を拾いあげ、CSWが居場所・サロンや、見守り支援活動の立ち上げにつなげています。「地域支援会議」の議題は、各「なごみの家」により様々で、そこから生まれる活動も9通りのものになっています。また、熟年相談室と協働で地域支援会議を運営することもあります。

 立ち上がった活動は「地域プロジェクト」と呼ばれ、その立ち上げプロセスにおけるCSWの働きかけをどう発信していくかについても、検討をおこなっています。特に、CSWが「どのような働きかけをどのような効果を狙っておこなったか」について、客観的に把握をすることを重視し、行動記録には動きとその意図が記入できる欄を設けています。加えて「受信」「発信」という項目も作り、CSWや「なごみの家」それぞれの傾向についても分析ができるようにしています。また、各CSWが自身の取組みについて自己覚知することを目的として、外部講師を招いて月に1回CSWの研修会も実施する等、人材育成にも力を入れています。

 しかしながら、各「なごみの家」にてそれぞれの活動があるからこそ、江戸川区全体での共通する特徴が挙げづらいため、江戸川区全体として成果をどう見せていくかについては、今後も検討を続けていきたいと考えています。

  • 【地域見守り名簿によるCSWの見守り活動】
  • 江戸川区が行っている、高齢者や障害者の方たちが住み慣れた地域で安心した生活を送れるよう、見守りネットワークによる互助体制づくり支援施策の一つ。見守り支援を受けたいと回答し、情報提供に同意した対象者(要介護認定を受けている高齢者や1級~3級の身体障害者でひとり暮らしの方等)に対して、町会・自治会、なごみの家、区内消防署等が見守り支援を行っています。
  • 「なごみの家(社協)」では、年に1回CSWが名簿に記載の住宅をまわるようにしており、困りごとの相談を受けるなど、アウトリーチとしても機能しています。

 

取材先
名称
江戸川区福祉部 (社福)江戸川区社会福祉協議会
概要
https://www.edogawa-shakyo.jp
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