社会福祉法人 練馬区社会福祉協議会
「福祉って案外・・・」の発見!―ねりま社会福祉法人等のネットと練馬区社協の取組み―
NEW 掲載日:2025年6月23日

はじめに

  • 東社協地域福祉部地域福祉担当では、福祉部経営支援担当と協働し「区市町村における社会福祉法人のネットワークによる地域公益活動」を推進しています。今回はそのなかから、これからの福祉を担う世代にゆるやかにアプローチする取組みを、ゆるやかに取材しました。企画打合せから企画当日、そして取材まで3回訪問したのですが、全く畏まらず終始和やかに穏やかに過ごすことができ、なんだか楽しかったな~という気持ちで胸いっぱいです。

▶石神井地区の社会福祉法人が取り組む「福祉教育」

 あたたかさも感じる冬晴れの12月21日(土)、石神井公園駅から住宅街を歩き「練馬区立石神井町さくら保育園」(運営:社会福祉法人 高洲福祉会)に到着です。すでに石神井地区の社会福祉法人の方々、練馬区社協の方々が集まり準備を進めています。この日はねりま社会福祉法人等のネット(以下「法人ネット」という。)が4つのエリアごとに活動を展開するうちの一つである、石神井地区による地域講座「“見て”“聞いて”“体験しよう”福祉の世界」*が開催されました。中学生から大人まで約10人が参加し、高齢・障がい・児童分野の各法人からのお仕事説明、会場となった保育園の見学、さらに様々な体験をしたり個別に質問をしたりとゆるやかだけど内容の濃い贅沢な経験をされていました。   

*令和6年度にタイトルをリニューアル!

 

 この地域講座は平成30年度から開催され、今回で8回目です。地域の福祉人材の発掘や啓発、育成を目的に、特に中学生・高校生に向けて施設の現場で働く職員から福祉の仕事のやりがいや面白さを伝えています。「福祉の仕事を知ってもらうために自分たちができることは何かを考え、学習会みたいにかたくるしくせず、施設や事業所に来てもらって伝えられるといいのでは?と、法人ネットの中で意見が出ました。実際に障がいの事業所が運営するカフェや高齢者施設、保育園など現場を持ち回りで開催しています。」と話すのは益子さん。これからの福祉を担う人たちに伝えたいとのことでしたが、チラシには「大人の参加もOK」としています。「ボランティアをやりたいとか福祉の仕事をしたいけどまだ施設に行くのはちょっと、という人もいいんです。とにかくハードルを下げたいと思っていて、なのでタイトルもちょっとずつ変えています。」と白岩さんは話します。企画打合せでは各施設から出たアイデアをもとにタイトルやキャッチフレーズを考えたり、みんなで役割分担をしたりとチームで進めている様子がうかがえました。

▶学校や世間がもつ福祉のイメージとは違うよと伝えたい

 「思っているよりももっとやりがいがあるし、魅力を感じてほしいです。それから、法人ネットのこの取組みを通して規模の小さな施設のことも知ってほしい。人がいれば救えるのに、いないから救えない、なんてことになってほしくないです。」と白岩さんは思いを吐露します。益子さんは、「福祉って“支える”イメージをもたれがちですが、実は自分たちが“支えられているな”と感じます。」と話します。接点がない限り実は福祉は知られていないと感じるとのことで、これからは福祉に触れてこなかった人たちにもアプローチしたいけど、マッチングが難しいと悩んでいるとのことでした。

▶一人ひとりの福祉への関心が花を咲かす

 参加者のなかには終了予定時刻を超えて法人の方々と真剣に話をする方も。気になること、知りたいことをとことん質問できるなんてなかなかないことかと思います。参加者アンケートにも「じっくり話ができたのがよかったです。」「ゆるい雰囲気だったのでリラックスして参加できました。」という感想があり、満足度が高い様子がうかがえました。当日参加された法人の方々からも、「すぐに福祉現場への就労等につながらなくても、関心や興味を持つ方が増えることで次につながるといいですね。」「発表を通して仕事のふりかえりができたのもよかったです。」「今後も意欲的に参加していきたいと改めて思いました。」という感想が述べられました。

 この地域講座を通して咲いた福祉への関心の花が、会を重ねることで一輪一輪増え、そしてその花が大きく成長しているイメージが浮かびました。石神井地区の法人ネットと参加者がともに福祉への関心をより豊かに広げていくことをますます楽しみにしていきたいと思います。

▶ねりま社会福祉法人等のネットについて

 練馬区社協では平成27年度に「社会福祉法人等の地域公益事業におけるネットワークづくりに向けた連絡会」を立ち上げ、平成28年度から区内を4つの地区に分けて連絡会を開催し、地区ごとに特徴的な取組みを進めています(平成29年度に「ねりま社会福祉法人等のネット」に改称)。令和3年度からは地区ごとの世話人会の代表からなる「世話人代表会」を立ち上げ、東京都地域公益活動推進協議会と連携して活動を進めています。

 法人ネットの5か年計画では、①世話人代表会の実施(全体会の運営・共通課題への対応や検討)②3つの柱「就労体験」「交流の場・居場所づくり」「福祉教育」を踏まえた地区ごとの推進を掲げています。より多くの法人が法人ネットの活動に参加すること、また現場の職員一人ひとりに目的や必要性を浸透させることにより力を入れたいとのこと。

 練馬区社協の次期地域福祉活動計画(R7~R10)においては、「ねりま社会福祉法人等のネット」「認め合う」「つながる」「参加する」地域共生社会をめざす計画の推進力の一つと位置づける予定です。従来の社会福祉法人を中心とした取組みの継続・推進に加え、「等」の部分にも注目し、今後はNPO法人やさまざまな活動団体、民生・児童委員等との更なる協働も進めていきたいと考えているそうです。

(取材日:令和7年1月8日)

取材先
名称
社会福祉法人 練馬区社会福祉協議会
概要
https://www.neri-shakyo.com/
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