Ⅰ 小金井市の地域福祉活動
小金井市は、東京都のほぼ中央、武蔵野台地の南西部にあり、都心から約25キロメートル西方に位置しています。近隣は7つの市に接しており、市の中央部には中央線が東西に、東南部には西武多摩川線が南北に通り、中央部には小金井街道が南北に、北部には五日市街道が東西に通っています。面積は11.30平方キロメートル、人口は125,960人(令和7年12月住民基本台帳)となっています。
タワーマンション等の建設をはじめ、駅前の開発がすすみ、大学や研究施設もあることから、子育て世代など若年層の人口が増え、学校や学童クラブが増設されています。市民による教育行政への働きかけも多く、不登校やひきこもり問題への対策等にも関心が高い地域です。
従来からボランティア活動など市民活動が盛んな地域で、社協の活動を中心に、昭和40年代・50年代といった時代から、いち早くボランティアなどの地域活動に熱心に取り組んでいた市民が多かったことも特徴の一つです。
(1)地域福祉計画と地域福祉活動計画の策定状況
市は令和6年3月に6か年計画として、地域福祉計画を内包する「第3期小金井市保健福祉総合計画(令和6~11年度)」を策定しました。策定にあたっては、市民や福祉関係団体等の外部委員も交えた地域福祉推進委員会での審議、市民に向けた説明会や大規模なアンケート調査等を行い、市の保健福祉を取り巻く課題の一つとして、包括的支援体制の構築を明記し、重層的支援体制の整備および生活困窮者への自立支援の推進による「セーフティネットの機能強化」を柱として位置づけています。
併せて、令和5年度に重層事業の移行事業を実施した後、1年間をかけて重層事業実施計画の策定に取り組みながら、総合的な相談体制の構築に関する庁内検討委員会の場において、福祉保健部、子ども家庭部、教育委員会、オブザーバーとして社協などが参加し、重層事業の実施に向けて共通認識を持てるよう課題を共有しながら、合意形成を図りました。こうした準備期間を経て、令和7年3月に、令和7年度から11年度を計画期間とする「重層的支援体制整備事業実施計画」を策定し、重層事業が本格スタートしました。
社協では令和6年度に、市の保健福祉総合計画と連動して、令和7年度から12年度を実施期間とする「第四次小金井市地域福祉活動計画」を策定しています。基本目標の一つに包括的支援体制の構築を掲げ、重層事業を含めて地域福祉の推進に取り組んでいます。包括的支援体制の構築のため、地域での課題解決の体制づくりをめざした小地域活動の推進および、セーフティネットの機能強化を図っています。
(2)福祉総合相談窓口を拠点に市内の4つの圏域にCSWを配置
令和2年度に、社協が運営を担っていた生活困窮者自立支援事業の自立相談サポートセンターを拡充する形で、福祉総合相談窓口が位置づけられました。包括的支援体制整備の観点を踏まえ、生活困窮者への支援と一体的に属性を問わない相談支援を行っています。地域福祉コーディネーター(以下、CSW)を配置し、地域包括支援センターや障害者地域自立支援センター、こども家庭センターなどの窓口と連携しながら、重層事業における包括的相談支援の中核的な役割を担っています。
福祉総合相談窓口を拠点に、市内東西南北4つの日常生活圏域の担当としてCSWを一名ずつ配置し、統括の役割を担う2名を加えて、計6名が活動しています。
コロナ禍においては、CSWが思うように地域に出られず、個別支援が中心となった時期もありましたが、重層事業が開始されたことで、積極的に地域に出ていくきっかけにもなり、地域に出るにつれてCSWの認知度も広がってきました。
生活支援コーディネーター(以下、SC)との連携について、小金井市においては、第一層のSCは市の直営で、それぞれ運営法人が異なる4つの地域包括支援センターに配置されています。
CSWとSCは、地区の担当者同士で連絡を取り合い、CSWが第一層の会議に出席したり、地域のネットワークで顔を合わせていますが、今後は、あらためてコーディネーター同士が定期的に顔を合わせる場を設けることも必要と考えています。

Ⅱ 重層的支援体制整備事業の実施状況
(1)多様な相談に対応する連携づくりと伴走的な支援
福祉総合相談窓口には、生活困窮の関係をはじめ、居住支援など、様々な相談が入ってきます。重層事業が始まり、数多くの相談に対応するにつれ、単独の機関では解決が難しいと実感することも多く、多機関での検討や、地域や民間の協力を得て就労準備の支援を進めるなど、より視野を広げ、多様な連携をつくりながらすすめるよう心がけています。一方で、相談件数の増加に伴い、CSWが個別支援と地域づくりへの支援の双方を担うことで、その比重のバランスが課題となっています。
多機関協働事業では、ケースを通して、様々な支援機関と一緒にそれぞれの機関がどのような機能を持っているのか、どこまで何をすることができるのかを共有し、理解促進を図りながら、役割分担をして取り組んでいます。
生活困窮者支援をベースとしており、生活困窮の支援調整会議と重層事業重層的支援会議や支援会議との切り分けを明確にしないと混乱が生じるため、生活困窮に限らず、既存の制度で対応できるものは支援調整会議や他の会議体で対応し、本人同意が取れないものや、制度の狭間に落ちるケース、困難なケースは重層事業の会議体で対応するよう整理しています。
アウトリーチについては、難しい問題を抱える8050世帯の近隣からの相談や、ひきこもりの家族のいる世帯からの相談、また、希死念慮のある方からのメールに対応した安否確認、公共施設で見かけた人に関する匿名の市民からの通報など、さまざまな形で寄せられる相談に柔軟に対応して、継続的な訪問や伴走的な支援を行っています。また、地域のイベントへの参加や、社会福祉法人の地域公益活動と連携して施設や病院でのブースを設けた出張相談なども実施していく予定です。









