Ⅰ 住区を基盤としたこれまでの地域づくり
目黒区は、23区の南西部に位置し、武蔵野台地の東南部にあたり、目黒川と呑川の谷が走る起伏の多い地形です。人口約28.2万人、面積14.7km ²。目黒川沿いの桜並木が有名で、複数の鉄道が通り交通の便もよく、高級住宅街やおしゃれなカフェやバーなどが点在し、治安が良く子育て世帯にも人気があり、高齢化率19.8%と都内でも低い地域です。
(1)22の住区と5つの地区で住民主体の地域づくり
目黒区では、昭和49年以降、まちづくりの具体策として小学校通学区域程度の広さを生活圏域とする「住区」を設定し、その住区内に住む人や町会・自治会、PTA、商店会等、地域で活動する人々が参加し、地域課題解決のための協議を行う場である「住区住民会議」を中心としたまちづくりを進めてきました。昭和51年に策定した「目黒区基本構想」においては、人間性尊重を基礎とした住民自治確立のため、区政運営の基本的な方向を「住民参加によるコミュニティの形成を通じてのまちづくり」と定め、住区住民会議の組織化を進めるとともに、22の住区には、区民のコミュニティ活動を始めとする地域活動の拠点、交流の場として、住区会議室を含む住区センターを整備してきました。
4つから5つの住区のまとまりで、買物・通学・レクリエーションなどの日常生活が充足される共通の地域的性格を保持している地域を「地区」と定めています。各地区では、町会・自治会や民生・児童委員は、昔ながらのお祭りや町会単位のイベントなどを通じ、住区住民会議では、子どもを主体とするイベントやまちづくりなどをPTAや青少年委員とも連携をして、住民主体の地域づくりを進めています。

(2)包括的に相談を受けとめる福祉のコンシェルジュ
区内には5つの地区(北部・東部・中央・南部・西部)があり、平成8年度から、各地区に順次設置された保健福祉サービス事務所では、属性に関わらず住民の相談を包括的に受け止める機能がありました。各地区保健福祉サービス事務所は、介護保険制度改正に伴い、地域包括支援センターに統合・機能拡充しましたが、区の包括的な相談支援は継続しています。
地域共生社会の実現に向けて、国が推進する「我がこと丸ごと」の方針を踏まえ、また、1つの窓口では対応が困難な複雑・複合化した生活課題に対し、ワンストップ型の相談支援が必要と考え、平成31年度に「福祉の総合相談窓口(福祉のコンシェルジュ)」を自立相談支援機関の機能も含む窓口として庁舎内に開設しました。地域の身近な相談窓口として包括的に相談を受けとめる地域包括支援センターの後方支援の役割も担い、8050のように複数の支援を要する世帯員のいるケースなどに対応します。保健師と福祉専門職が在席し、介護・家計・住居・孤立など福祉に関する相談全般を受付けています。

(3)5つの地区に生活支援コーディネーターを兼務するCSWを配置
目黒区では、平成28年度から生活支援体制整備事業を開始し、翌29年度から目黒区社協に委託をして、生活支援コーディネーターを2名配置しました。5つの地区を日常生活圏域と定め、各圏域での地域の支え合いを広げるための協議の場として、第2層協議体を各地区に設置し、地区に住む住民や活動団体により運営されていく中で、段階的に生活支援コーディネーターを増員しています。生活支援コーディネーターは各地区の協議体の事務局機能を担い、社会資源の把握や関係団体との顔の見える関係をつくり、高齢者の生活上のニーズとのマッチングや、住民主体の多様な活動の創出を目指して、地域ささえ合い活動を推進しています。令和3年度からはCSWと兼務となり、6名の配置となりました。その後、令和4年度に2名増員し、令和5年度にも2名を増員した結果、各地区2名を配置する10名体制となりました。
CSWは、高齢者・障害者・子どもなど全ての人々を対象に、制度の狭間にある日常生活上の困り事や心配事を受け止め、様々な関係機関などにつなぐ活動をしています。積極的に本人のもとに出向き、思いを受け止めて必要な情報を提供しながら伴走支援を行うとともに、関係機関・団体や行政と連携して、地域の中での解決に向けた支援に取り組んでいます。









