あらまし
- 今年も10月1日から「じぶんの町を良くするしくみ。」をスローガンに、赤い羽根共同募金が始まりました。1947(昭和22)年から始まった共同募金運動は、今年で80回目を迎えます。クラウドファンディング等、寄付のあり方が多様化する中で、長い歴史をもつ共同募金運動がより地域に根ざした募金として生かされるためには、募金活動への住民理解・参加が不可欠です。今号では、豊島区民社会福祉協議会の取組みを紹介し、地区募金としての共同募金のあり方についてあらためて振り返ります。
「じぶんの町を良くするしくみ。」とは
共同募金は、赤い羽根共同募金と歳末たすけあい運動の二つから構成されます。
赤い羽根共同募金は1947 (昭和22) 年より、福祉施設・団体への助成を行い、歳末たすけあい運動は1952(昭和27) 年から、生活困窮者への見舞金の配布等を中心として展開されてきた経緯があります。しかし時代背景をふまえ、両募金の目的は2000 (平成12) 年の社会福祉法改正により「地域福祉活動」へ転換しました。地域住民および関係者が主体的に地域の募金を生かす方向性が打ち出され、現在に至ります。
共同募金の配分は、各都道府県の共同募金会に設置される配分委員会で審議され、理事会で最終決定が行われます。東京においては区市町村をベースとする「地区配分推せん委員会」を設け、地域で集めた募金をどのように配分するかを地域で決めることにより、自らの地域の福祉活動やコミュニティづくりの推進を図っています。『地域で集めて、地域で配る』という循環型のしくみを確立し、地域の実情に応じた取組みが広がり、よりよい地域共生社会をつくることをめざしています。
東京都共同募金会(以下、都共募) では、地区ごとに配分推せん委員会を設置することを推奨しており、現在50の区市町村で設置がされています。設置主体は、区市町村社協が50、その他が1となっています。地域ごとの課題やニーズを汲んだ取組みや活動へ募金が配分されるよう、配分推せん委員会が、「募金・配分」を一体的に考え、地域づくりとその財源となる共同募金をつないでいます。
地域で集めて、地域で配るとは
両募金とも、区市町村の地区ごとにお住まいの方々に呼びかける(地区募金) が、活動の中心を担っています。地区募金では、町会や自治会のご協力のもと呼びかけお寄せいただいた寄付がその多くを占めています。
募金で集めたお金を地域福祉活動へ配分し、地域づくりにつなげる。『地域で集めて、地域で配る』しくみを浸透させるためには、「地域住民の方に、募金がどのように使われているか知ってもらうこと」や「募金が自分の住んでいる地域の福祉活動に生かされていることを実感してもらうこと」が重要なポイントになります。
共同募金運動は長い歴史があるため、運動の名称としての認知度はありますが、具体的な使いみちの周知の方法はどの地区でも寄付を呼びかけるうえでの課題となっています。
2026年は共同募金運動が80回目を迎える節目の年です。今後も募金運動が継続し、活性化が図られるために都共募では、「共同募金と地域づくり」配分プログラムを設け共同募金をより知っていただくための「周知活動」を強化し、今年度、豊島区民社協が助成を受けプログラムに取り組んでいます。
豊島区民社協における『共同募金運動』 より多くの住民に知ってもらうために
豊島区における共同募金運動も、他地区と同様に、町会や自治会の協力のもと展開しています。
毎年度、共同募金運動をすすめるにあたっては、区内の地域福祉活動を担う団体や施設等に配分することにより地域づくりをすすめられるよう目標額を定めています。しかし、町会や自治会といった既存のコミュニティとつながりを持たない住民層も増えていく中で、これまで以上に、共同募金運動の裾野を広げるための「募金活動の周知」は課題となっていました。ネットやSNSを通じた広報にも力を入れてきましたが、多くの区民に知ってもらうには限界がありました。そのためさらなる仕掛けが必要と考え、配分を受けた団体と協働して、老若男女みんなが参加できるイベント「みんなで助け合い!としま赤い羽根フェス」を今年度、企画しました。
「みんなで助け合い!赤い羽根フェス」
10月18日(日)10時30分~16時会場:
豊島区役所本庁舎1階としまセンタースクエア
豊島区民社協で共同募金を担当する総務課地域支えあい担当の小暮暁さんは「イベント形式をとることによって、子どもから高齢の方まで、年齢問わず、楽しみの中から共同募金の意義や目的を知る機会をつくりたい」と話します。
若年層へのPR機会となることや地区で集めた募金が地域の福祉活動にどのように生かされているかを知らない方も多いので、具体的に見える形で周知し、共同募金運動が広がることをめざしています。
地元住民の方たちと協働してつくる
イベントでは、配分を受けた団体も多数参加し物販ブースを出展します。物販と合わせて、共同募金をどのような活動へ生かしているかの掲示なども行います。
また、イベントに先立ち夏休み期間中に、「みんなで助け合い!赤い羽根募金箱コンクール in としま」を行いました。保育園児から小学6年生までの応募があり、募金箱を作成した子どもたちからは、「赤い羽根でみんなのやさしさが届き(略)笑顔で幸せに暮らせる温かい町になってほしい」といったメッセージが寄せられました。
総務課長の小林聖子さんは「寄付者から配分先団体の活動が見えづらい。配分先団体の方々には、以前より、配分を受けるだけではなく、募金箱を置いてもらう等、募金活動そのものへの協力やどうやって集められているのかも知ってもらうように働きかけを行ってきた」と話します。今回のイベントでは、寄付者と配分を受けた団体・活動が見える形でつながる場を作り、地域で集めた募金がどのように生かされているのか、募金が地域づくりへどうつながっているかを実感してもらう地元密着のイベントとなっています。
共同募金運動で特に大切にしたいこと
豊島区民社協の澤口清明さんは「寄付文化と言われるが、文化は時間をかけて育まれるものだと思う」と話します。また小林さんは 「すべての社協に共通のことかと思うが、事務局だけでは募金活動はできないと感じている。住民の方々と協働すること、また、子どもにも参加してもらうこと。一緒に募金活動に関わる機会をつくることにより、より多くの募金を集めることも目的ではあるが、それ以上に、寄付文化を醸成することにつながることが大きい。それにはいろいろな団体と手をつないでやっていくことが重要」と話します。
共同募金が地域づくりに生かされるために
都共募事務局次長の近江信孝さんは「共同募金運動は、地域の方が抱える福祉課題・ニーズに対し、皆が力を合わせて主体的解決の道筋を考えるきっかけとなります。誰もが安心して暮らすことができる地域づくりのために、共同募金という資源を役立ててほしい」と考えています。
共同募金運動が、募金する人、配分を受ける人という対の関係性だけでなく、地域全体で地域づくりを考え、時代や地域のニーズに応じた地域福祉活動を広げるきっかけとなる「地域の活動」として根付いていくことが、一層、期待されます。
インフォメーション

- ● みんなで助け合い!としま赤い羽根フェス
シンポジウム「あなたが支える豊島区で挑戦する人たち-
若者・妊婦・障がい者支援の現場から-」は動画配信もされます。
● 10月18日(日)14時~15時30分
当日、豊島区で若者や妊婦、障害のある方を支える活動に取り組む団体の皆さんと、募金を支える町会の皆様が集います。 - (登壇者)
荒井佑介氏 特定非営利活動法人サンカクシャ代表理事
中島かおり氏 認定NPO法人ピッコラーレ代表理事
天摩賢一氏 特定非営利活動法人ゆうかり理事
宮長定男氏 社会福祉法人泉湧く家理事長
榊原清氏 豊島区町会連合会会長
https://tokyo-akaihane.or.jp/
豊島区民社会福祉協議会
https://toshima-shakyo.or.jp/













