
社会福祉法人小金井市社会福祉協議会
地域支援係長 近江屋 哉子さん
福祉総合相談窓口 主任相談支援員 田部井 由美子さん
福祉総合相談窓口 重層的支援体制整備事業 多機関協働担当 髙橋 杏樹さん
福祉総合相談窓口における相談の受け止め
2020 年に重層的支援体制整備事業* の移行準備事業で福祉総合相談窓口を設置し、地域福祉コーディネーター(以下、CSW) が4 地区に分かれて活動を開始しました。これをきっかけに、生きづらさを抱えた方やひきこもりがちな方(以下、当事者)からの相談が増え、社会へ参加するきっかけづくりの必要性を認識するようになりました。次第にそうしたきっかけづくりの活動が少しずつ増え、居場所やボランティア活動の種類が徐々に増えていきました。
福祉総合相談窓口はCSW だけではなく、就労支援員や困窮担当の相談支援員が在籍しているため、お互いが受けている相談などの情報共有がしやすく、これが小金井市社協の特徴だと思っています。窓口での初回相談は2名体制で行い、さまざまな役割を担う職員がおり、多面的にアセスメントできることが強みです。
*地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制並びに地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業(社会福祉法第106 条の4)
活動が当事者に与えるインパクト
小金井市社協が行っているきっかけづくりの活動には、ひきこもり、生活困窮者、社会的に孤立している人、不登校経験者、大人の発達障害、依存症の人など、さまざまな方が集まります。例えば「コーヒー淹れTAI」は、社協主催の「地域の居場所づくり講座」がきっかけで誕生しました。「コーヒーをツールに居場所づくりをしよう」というアイデアをきっかけに、社協の会議を中心に地域の方と一緒にコーヒーを淹れたり、社協のマルシェへ出店したり。今では他の事業所からも淹れてほしいと言われるほど人気になっています。コーヒーという共通言語があることで、参加者の間で会話が生まれたり、参加者同士の見守りなど、和やかな居場所となっています。また、地域のコーヒー屋さんの協力によりコーヒーを淹れるスキルアップ研修が行われ少しずつ参加者が増えてきており、当事者と地域の方が関わる機会となっています。なかには支援を望まない人もいるので、そんなときはタイミングをみて再度アプローチしています。何かあればキャッチできるように、関係が途切れないようゆるくつながり続けることを意識しています。

地域の方との関わりで本人の変化に気づくことがあります。私たちが声をかけたわけではないのにひきこもりがちだった人が自ら外に出てイベントに来ていたり、他の参加者と楽しく生き生きと話をしたり。そんな姿をみて、初回相談の頃からは想像できないほどの変化があると感じることもあります。地域の方や参加者同士が与える影響は大きく、当事者の成長や変化を感じることができて嬉しいです。
その人らしくできるやり方をワンチームでどう見つけるか
小金井市社協では、CSW がアセスメントする中で、その人の状況を把握して、その人に合った居場所を紹介したり、新たな居場所を生み出したりしています。例えば依存症の方の居場所が必要なら、個別支援をしている担当者と一緒に新たな活動を検討します。困窮担当の相談支援員が個別支援をしている中で、地域課題等を発見した場合は、CSW にも共有するなど、“地域でこういう居場所があったらいいのではないか” と職員同士でコミュニケーションを取っています。また、当事者の中には自己肯定感が低くなっている人もいるので、自分の変化に気づけないこともあります。今後、その変化を本人に伝えていきたいと思っています。本人がやりたいと思うことを尊重する伴走型支援をすすめていきたいです。来年度は「今」と「未来」について定期的に一緒に考える場を作っていきたいと考えています。そして、本人に困ったことがあるときはしっかり寄り添っていきたいです。
ゆるやかな地域づくりに向けて社協としてのこれから
これからも生きづらさを抱えた方が地域や社会と繋がれる場づくりや学びの場をつくるために、地域の中にCSWが出向いて、もっと社協を知ってもらうための活動や周知をしたいと思っています。地域の方からも地域づくりのためのアイデアや意見を出していただけるように、これから出会う人との関係を丁寧に築いていくことも力を入れていきます。
相談件数が増加する中、どうやって社協内でアセスメントした情報を共有するか、他機関とどうつながっていくのかが課題です。
当事者が地域に出る前の準備としてのボランティア活動を受け入れてくださる企業もあり、そういった企業とのつながりを今後も保ちながら、就労などの社会参加に結び付けられるようにしていきたいです。社協と本人との一対一の関係からは見られない新たな姿を見せてもらえることが、地域で行う参加支援の醍醐味だと感じています。
KEY ESSENCE by interviewer
- 1. 多職種が連携してアセスメントできることが強み
2. 距離感を見極めながら、関係性を途切れさせない
3. 可能性が広がる地域の方とのかかわり方をつくる










