Ⅰ コミュニティ行政を発展させた地域づくり
三鷹市は、クロワッサンのような形をした、東京のほぼ真ん中位で市部と区部の境目に位置する人の行き来も多い地域です。人口19.1万人、面積16.4㎢ で、キャッチフレーズは『緑と水の公園都市』。市の北部にあたる三鷹駅周辺はタワーマンションを始め、新しい共同住宅が増えており、市の中央部に位置する市役所に近づくにつれて一軒家が増えてきて、市の南部を東西に走る東八道路を超えると農地が残っているエリアもある、いわゆる近郊都市が凝縮したような都市です。JR中央線で新宿までのアクセスも良いので若い方の転入も多く、新しい住民と昔からの住民が一緒に暮らしているのも特徴です。
(1)全国に先駆けてコミュニティ行政を展開
三鷹市では、全国に先駆けて昭和46年に「コミュニティ・センター建設計画」の発表を皮切りに、住民自らが住みよいまちづくりを進めるコミュニティ行政に着手しています。高度成長期の急速な都市化にともない、昔ながらの町会・自治会などの地縁的な住民活動に関心のない新しい住民が急増し、新旧の住民間で摩擦が起こる中、いかにして地域のコミュニティを再構築していくかが大きな課題でした。
取組みの先駆けとなった大沢地区では、コミュニティ・センター(コミセン)の建設にあたり、町会・自治会、自主サークルなどの地域の住民団体や公募市民等で構成されるコミュニティ・センター研究会を結成し、これからのコミュニティの姿や施設の管理組織、利活用などの検討をすすめ、住民協議会の発足へとつながっています。昭和49年に、市のコミュニティの理念やコミセンの住民管理を明文化した「三鷹市コミュニティ・センター条例」を制定。昭和53年策定の「三鷹市基本計画」において、市内7つのコミュニティ住区を設定し、活動の拠点となるコミセンをそれぞれ建設することを決定しました。
コミュニティ住区・住民協議会を中心としたコミュニティが、現在の市民参加の取組みにつながっています。昭和55・59・63年度には、住区内の市民による「コミュニティ・カルテ(地域生活環境診断)」を作成し、住民自身が、町の課題とよりよいまちづくりのための取組みの仕組みを作り、平成元年策定の「まちづくりプラン」へと発展します。これらの実践と経験は、第3次三鷹市基本計画策定時の無作為抽出された市民による「みたかまちづくりディスカッション」や第5次三鷹市基本計画策定時の「三鷹市市民参加でまちづくり協議会」などの市民参加と協働の取組みの推進につながっていきました。
(2)住民同士が支え合いのまちづくりを推進
三鷹市社協では30数年前から、住み慣れた地域で誰もが安心していきいきと暮らせるまちづくりを目指して「ほのぼのネット活動」を地域の方と一緒に推進しています。民生・児童委員、赤十字奉仕団員、シニアクラブや地域の方達が「ほのぼのネット員」(ネット員)となって、ゆるやかな見守りや身近な相談相手として、サロンや食事会などの活動やイベントの開催など、市内28の班に分かれて活動しています。
各班で毎月1回開催する定例会では、地域福祉コーディネーターも参加し、ネット員が活動等を通じて把握した地域のニーズを共有し、解決方法などを話し合い、支援につなげています。時には、コミュニティ住区内の班同士が連携して活動することもあります。定例会で、気になる人の相談や、地域課題の共有をする中で、各地区に個別の支援に対応できる職員の配置が必要だとの声が上がり、地域福祉コーディネーターの配置の検討にもつながりました。

(3)7つのコミュニティ住区で3人のコーディネーターが地域支援を担当
介護保険の生活支援体制整備事業により、平成28年度から、コミュニティ住区を基盤とした日常生活圏域7地区に、第2層生活支援コーディネーターを各地区に2名(地域包括支援センター1名、社協1名)ずつ配置しました。令和2年度からは、「三鷹市地域福祉コーディネーターによる共助支援事業」により、大沢地区に1名の地域福祉コーディネーターを配置し、段階的に配置を進め、令和6年4月に7名体制となり、各地区に1名ずつの配置が完了しました。
生活支援コーディネーターのうち、地域包括支援センターに配置された7名は主に高齢者に関わる支援を中心に実施し、社協に配置された7名は対象を限定せず、地域のニーズに合わせて、地域福祉コーディネーターと同じように支援を行います。事務所も同じボランティアセンター内のため、社協の地区担当2名が、地域包括支援センターの生活支援コーディネーターと連携をしながら地域づくりに取り組み、柔軟に対応しています。
(4)コミュニティ・センターを拠点に地域活動を展開
三鷹市では、全国に先駆けてコミュニティ行政に取り組んできました。市内7つのコミュニティ住区に、市民や活動団体等で構成された自治組織である住民協議会を立ち上げ、活動の拠点施設であるコミセンを運営するとともに、市民が主体となって地域の交流や福祉・健康・環境・防災など様々な課題に対応できる地域づくりを進めています。
各住区のコミセンは、市民活動の拠点として多くの活動団体や市民に利用されています。また、住民協議会が企画するイベント等を通じて、子どもからお年寄りまで、世代を問わず多くの市民が集う機会を持つことで、地域のつながりづくりにもなっています。住民協議会は、住区ごとに特色があり、町会・自治会、民生・児童委員、PTA、シニアクラブ、活動団体等、様々な団体の代表者と、公募の一般市民で構成されたボランティアによる主体的活動です。コミセンの運営費等は市から補助金が出ています。
地域福祉コーディネーターはコミセンを利用した出張相談会を開催することで、市民のちょっとした困りごとの早期発見・対応を、地域の皆さんと一緒に取組んでいます。









