Ⅱ 重層的支援体制整備事業の実施状況
三鷹市では、令和2年度から重層的支援体制整備事業のモデル事業に取り組んでいます。既存の相談支援機関同士が連携を強化するとともに、年齢や対象を問わず生活の中での困りごとの相談に応じる地域福祉コーディネーターを配置することで、包括的な相談支援体制の構築を推進しています。令和6年度策定の「三鷹市健康福祉総合計画2027」に内包された「重層的支援体制整備事業実施計画」に基づいて、令和6年4月から本格実施を開始しました。基本施策は(1)包括的な相談支援体制の推進、(2)社会参加に向けた支援の推進、(3)地域づくりに向けた支援の推進、(4)重層的支援体制推進会議による関係機関との連携強化の4つです。
(1)包括的な相談支援体制の推進
三鷹市では、総合相談窓口の設置はせず、既存の相談拠点の設置形態を変更せずに、各支援機関同士の連携を図ることで、包括的な相談に対応しています。属性や世帯を問わず、制度の狭間にあって支援が受けられない方などの福祉課題の相談に応じ、必要な支援につなげるために地域福祉コーディネーターを市内7地区に1名ずつ配置しています。
地域福祉コーディネーターは、令和2年4月に1名を大沢地区に配置し、令和3年4月に連雀地区に1名、令和5年4月に東部地区に1名、令和6年1月に更に1名を配置し4名体制になったところで、市内全域の相談を開始しました。そして、令和6年4月に3名を増員し7名体制となり、市内7地区に1名ずつ専任の担当者が配置されました。全員が、三鷹市上連雀分庁舎内にある「みたかボランティアセンター」の事務所に席を置き、必要に応じて担当地域の相談に出向いています。同じ事務所に、社協が受託している7名の生活支援コーディネーターも在籍しており、2名で地区担当をするような形で、日ごろから連携を取りながら対応をしています。
ほのぼのネット員や地域住民などから、『地域で気になる方がいる』『近隣住民が困っている』などの相談が地域福祉コーディネーターに上がってくることも多く、直接訪問して状況を伺うなど、プッシュ型やアウトリーチ型の相談等を実施し、継続的な支援を行います。8050問題など、世帯内に複数の支援を要する方の相談などの場合には、関係する支援機関と連携を図りながら支援を進めます。


(2)社会参加に向けた支援の推進
地域福祉コーディネーターが社会とのつながりを作るため、住民同士の支え合いの仕組みづくりをめざす諸団体・関係機関やボランティアと行政とのネットワークである地域ケアネットワークやほのぼのネットなどの地域活動と連携しながら、本人にあった社会とのつながりづくりに向けた支援をおこないます。
ほのぼのネットに、地域の困りごとや支援の必要な方をつなぐことも多くあります。時には、「子ども用の自転車を探している」など人と物をつなぐ場合もありますが、ネット員の方が班の中で情報を集めてくれて、地域で解決しています。その他、子どもの学習支援など、居場所の情報提供や、必要に応じてつなぐ支援も行います。時には、ネット員が心配している1人暮らしの方で、ご本人は困り感がないような場合に、コミセンで開催している相談会を紹介するなど、無理のない形で地域とつながりが持てるように働きかけています。

(3)地域づくりに向けた支援の推進
地域ケアネットワークや、市内28カ所のほのぼのネットなど、従来からある地域づくりに関係する団体と連携しながら、世代や属性を超えて、住民同士が交流できる多様な場づくりや、人と人、人と居場所などをつなぎ合わせる取組みを支援します。また、地域福祉コーディネーターが市内7カ所のコミセンで実施する相談サロンを通じて、地域のニーズを把握し、それぞれにあった多様な地域づくりを進めます。
これまでの相談で多かったのは、不登校やひきこもりの対応です。どこに相談したらいいのか分からないという声も多く、三鷹市社協が主催して、市民や関係者向けの勉強会や講演会などを行ってきました。そして、ひきこもりの家族会の立上げ準備を進めていきました。初めは社協が主になって動いていましたが、参加者の中にキーパーソンが出てきたことで、その方に中心的に動いてもらうお願いをし、住民主体の団体としてボランティアセンターの会議室を利用してもらい、今も活動を続けています。また、ひきこもり等の支援では、支援者が孤立しないように、関係者が集まって情報交換をする「三鷹ひきこもり支援者連絡会」を作るなど、支援者支援も行っています。








