文京区福祉部 (社福)文京区社会福祉協議会
早くからCSWの配置をすすめ、4つの圏域で多様な居場所づくりを支えながら、既存の相談窓口をつないで包括的相談支援と多機関協働を実施―文京区における重層的支援体制整備事業の取組み
NEW 掲載日:2026年1月30日

Ⅰ 文京区で取り組んできた地域福祉活動

(1)区の地域福祉保健計画と社協の地域福祉活動計画の連携と協働

 文京区は、東京23 区のほぼ中央に位置しており、面積は11.29 平方キロメートル、人口は236,580人(令和7年10 月住民基本台帳)。人口推移は、平成11年以降、増加傾向が続いていますが、マンション建設等の影響により年少人口も増加している一方で、将来的には少子化などの影響により減少に転じると予測されています。一方、一世帯あたりの人数が東京都の平均よりも少なく、高層マンションも急速に増えているため、地域でのつながりを感じづらい住民が増える傾向があります。また、外国人も新型コロナウイルス感染症の影響により一時減少していましたが、現在では増加傾向にあり、多様な文化や背景を持つ人々が暮らす地域社会へと変化しています。                      

 文京区では、令和6年度から8年度を計画期間とする「地域福祉保健計画」の中に、地域福祉計画をはじめ、高齢分野、子ども分野などの各分野別の計画および、重層的支援体制整備事業実施計画を内包しています。計画の体系は、「ともに支え合う地域社会づくり」「安心して暮らせる環境の整備」「ひとにやさしいまちづくり」という大きな柱の基に、各分野を横断して、取り組みのテーマと事業項目を整理しています。また、計画の策定にあたっては、庁内組織での検討および、学識経験者、区内の関係団体、公募区民により構成された地域福祉推進協議会をベースに、各分野別の検討体制を設けて検討を行いました。

 計画の推進にあたっては、地域による主体的な活動の裾野をさらに広げ、様々な主体間の連携を強化するとともに、地域ぐるみの支え合いを推進していくため、公的な福祉の取組みとあわせて、社会福祉協議会と緊密に連携し、地域の主体的な活動への積極的な支援や、様々な主体間の連携を図ることを通して、文京区全体で地域福祉の推進を図り、地域共生社会の実現をめざしています。

 一方、文京区社協では、区の計画と連動し、地域住民が中心となって主体的に地域共生社会の実現に向けて活動ができるよう、令和6年度から9年度を実施期間とする「文京区地域福祉活動計画」を策定し、文京区全体の地域福祉の推進に取り組んでいます。令和2年度から5年度にかけての前計画で掲げた「知り合い、伝え・伝わり、心を寛げ、つながりをもつことで、『おたがいさま』が生まれるまち」という理念を引継ぎつつ、これまでの成果と課題を踏まえ、新たな計画では、「①地域には多様なひとたちがいて、つながり方も多様である。身近なところで、気にかけ、声をかけ、関心を持ち、支え・支えられる関係性が増えている」「②より豊かな生活をおくるため、多様な人たちに合わせた参加・参画の機会が広がっている」「③地域と関係機関、団体が知り合い、一緒に悩み・考え、お互いの強みを活かす機会をつくり、ネットワークで継続的に取り組んでいる」という3つの基本目標を掲げています。

 計画の策定では、区民、関係団体、学識経験者等による策定委員会および作業部会を設置し、“生活課題がある人だけに限らない対象像”という視点を含めながら、幅広い意見交換を行いました。今回の計画では、重層的支援体制整備事業の実施も視野に入れ、基本目標の設定にあたって、地域住民による拠点運営への支援に加え、福祉的視点に立った参加支援を位置づけ、CSWが地域住民と共に考え、取り組んでいく方向性などを盛り込んでいます。

 

(2)地域福祉コーディネーター(CSW)の配置状況

 文京区社協では、「窓口に来ることのできない人へのアプローチが必要ではないか」という問題意識のもと、他県の先行事例を参考にしながら、平成22年からCSWの配置について検討を開始し、平成24年からCSWの配置と活動を本格的に進めてきました。コーディネーターによる活動の効果性については、記録に基づく実績を積み上げることで、その必要性を示し、徐々に配置人数を増やすことができました。現在は区内4つの圏域すべてに2名ずつの配置を含め、計10名が活動しています。

 CSWは、制度の狭間にある課題や複雑・複合化した課題に対し、様々なネットワークを活かしながら、必要に応じて個人への支援を行うととも、地域の中で住民が主体となって取り組む仕組みづくりも支援しています。個人支援と地域支援は相互に循環する関係にあり、個人支援や地域支援の過程で、区内全域を対象として支援を広げるべき課題が確認された場合には、多様な組織・団体、行政、社協内の他部署と連携し、新たな仕組みの構築やネットワーク化を図っています。

 地域づくりを行うという点で業務に大きな違いがないことから、文京区では、10名全員が生活支援コーディネーターを兼務する体制をとっています。生活支援コーディネーターについては、二層コーディネーターの機能が地域の情報を最も把握する立場となるため、ニーズをとらえながら、一層のコーディネーターを別に置かず、一人のコーディネーターが、一層と二層の役割をあわせて担っています。また、協議体は設けず、月に一回、区の担当者を交え、生活支援コーディネーター会議を開催し、各地区の状況や全域にまたがるような課題等について、報告・協議・情報共有を行っています。

 

 

 

取材先
名称
文京区福祉部 (社福)文京区社会福祉協議会
概要
https://www.bunsyakyo.or.jp
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