北区社会福祉協議会
緊急小口資金等特例貸付フォローアップ支援事業~期限後の債権を持つ未応答者への訪問によるフォローアップ~
NEW 掲載日:2026年5月26日

取組みの概要

対象

償還期限を迎えた緊急小口資金の債権を持っている世帯への架電や訪問アプローチ(約 1,600世帯)

 

背景

特例貸付フォローアップ支援の基本事業として相談があった借受人に対しては、免除の手続き支援や猶予・少額の案内等、必要な支援を行っていたが、未応答の借受人に対しては「何かしなければ」と思いつつも、中々アプローチできていなかった。また、日々の支援の中で、借受人のほとんどが債務や支出が増えることで生活が回らなくなってしまった等、実害が起きてから相談にくる傾向があり、生活再建がスムーズにいかないケースとも多く関わってきた。


そこで、借受人の生活再建に向けた気力や回復力が落ちないうちに、社協から積極的にアプローチを行い、必要な支援につなげていきたいとの思いから、本取組みを実施することになった。

 

取組み内容

●訪問までの流れ

➀ 償還期限を迎えた緊急小口資金の債権を持っている借受人に対して、生活状況に関するアンケートを送付。
➁ アンケートの回答があった方に対しては優先的に架電し、救済制度の案内を行う。
➂ 回答がなかった借受人に対しても架電を実施し、生活状況の把握や救済制度の案内を行う。
➃ 架電にも反応がなかった借受人をエリア別に分類し、職員2人で訪問を実施。生活状況の把握や後日
連絡をもらいたい旨等を伝える。不在の場合には手紙をポスト投函する。

→その後も反応がない借受人に対しては、必要に応じて適宜架電を実施する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取組み実績

対象世帯数(アンケート送付世帯数)約1,600世帯→アンケート回答数300世帯程度

架電対象数約1,300件→架電応答数200件程度

訪問数約50 件→実際に会えた件数3、4件程度

 

効果・成果

・東社協で行った償還に関する調査や生活状況調査等では未応答だった借受人であっても、今回のアンケート送付や架電によって反応が一定数得られた。
・訪問によって会うことができた件数は1割程度であるが、つながりづらい人や訪問することでしかつながることができない人とつながれたのは一つの成果と言える。

 

他機関との連携

自立相談支援機関との連携

●現状

生活福祉資金担当職員と自立担当職員が同じ事務所内で働けていることも大きいが、日頃から密に連携をとっている。相談の電話や来所があった際、入口は担当に関係なく誰でも対応するようにしており、相談の中で、貸付が必要であるのか、それとも家計改善が必要であるのか等を聞き取り、必要に応じて担当者へつなぐ体制をとっている。

 

●背景・工夫している点

密に連携がとれている背景としては、行政の理解によるところが大きい。日々の業務の中で、行政から相談ケースのつなぎがあれば、生活福祉資金担当職員として一度話を受け止めたうえで、必要な調整を行いつつ、逆に行政にお願いしたい部分はやんわり伝える等して、持ちつ持たれつの関係性を築いている。

 

自立相談支援機関以外との連携

●社協外部との連携

福祉事務所とは適宜必要な連携がとれている状況。具体的には、日々の照会・回答や借受人の中で生活保護が該当しそうな方を福祉事務所につなぐ等である。それらのやり取りを積み重ねていくことで、協力的に動いてくれる状況になっており、スムーズに連携を行うことができている。


他機関との連携にあたっては、支援機関によって方向性や目的が異なる場合もある。そのため、協働先である支援機関には、制度の説明や理解を求める働きかけを行いながら、常に連携を取れる体制を構築する必要があると感じている。

 

●社協内部での連携

社協内部では、主に権利擁護担当やCSWと連携をとることが多い。それぞれの事業で、相談者から特例貸付を借りている話が出たり、訪問等で特例貸付の黄色い封筒を見つけたら担当につないでもらう等の連携を行っている。権利擁護担当においては、地域福祉権利擁護事業の訪問時に、相談者が特例貸付の借受人ということが分かり、必要書類の受け渡しや制度の案内を権利擁護担当者が行い、償還猶予に結びついたケースもあった。加えて、その後も権利擁護担当にて継続的な訪問も繰り返しており、見守り支援にもつながっている状況。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

日々、生活福祉資金担当と自立担当にて連携しながらフォローアップ支援を行っているが、特例貸付の借受人においては、猶予や免除だけを行っても生活再建につながらない場合もある。猶予や免除はあくまでもツールの一つであるため、本来の目的である生活再建を目的とした関わりを今後も続けていきたい。そのためにも、まずは社協から借受人に対して積極的にアプローチを行っていき、借受人の生活再建に向けた気力や回復力が落ちないうちに、自立等の関係機関と密に連携を取りながら必要な支援を行うことが大切だと考えている。

今後も、今年度のフォローアップ支援の効果等をふまえながら、借受人の状況やデータも分析したうえでアプローチを続けていき、社協として支援を行う意義を意識しながら、フォローアップ支援を推進していきたい。

 

福祉広報2026年3月号記事「東京都における緊急小口資金等特例貸付フォローアップ支援事業の“今” ~一人ひとりが安心して暮らせる地域社会の実現をめざして~」はこちら

 

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