新宿区社会福祉協議会
緊急小口資金等特例貸付フォローアップ支援事業  ~猶予期間中支援と未応答者に対する訪問等によるフォローアップ~
掲載日:2026年4月10日

あらまし

  • 新型コロナウイルス感染症の影響で減収や失業等により生活が困窮した世帯を対象に実施した緊急小口資金等特例貸付。
    今なお経済的な困窮から抜け出すことができず、償還が困難な借受人に対して必要な支援を行うフォローアップ支援の取組みをすすめています。
  • このたび、8か所の区市町村社協の取組みのヒアリングを行いました。それぞれの取組みを全8回にかけてご紹介していきます。
  • 第1回目は、新宿区社協の事例です。

 

猶予期間中のフォローアップ

背景

猶予期間中の支援においては、途中で連絡が取れなくなってしまう方や猶予期間中の生活状況調査に回答がない方が一定数おり、猶予期間が終了した後に再度猶予申請の相談が入る場合もある。

生活状況が心配な方ほど連絡がつかないことが多く、 そもそもの制度や猶予期間中の流れを理解すること 、先の見通しを立てることが難しい方も多い。「届いた通知の内容が理解できない」との相談も多くある中、個々の状況にあったフォローアップにより、必要な支援情報の提供が必要であった。

 

猶予期間中のフォローアップの流れ

猶予に関する相談の段階で、猶予開始から半年後に調査票の回答、猶予期間終了までに相談実施といった今後の目安のスケジュールを案内し、少しでも滞りなく支援につながるようにしている。

→「 ○月に連絡がほしい」と猶予開始時 に伝えることで、相談のハードルを下げる!

 

 

 

 

 

 

 

□ リアクションがあった時に応えられるようデータで保存し、職員全員が見られるようにしている。

□「 返済」ではなく、それ以外の情報提供や提案で支援したいというメッセージを送る。

□ 電話だけのやり取りでは相手の理解に不安がある場合なども手紙を送付。(役所に持っていけば、免除申請等に必要な書類が伝わるような内容で作成)

 

 

申請に必要なものをわかりやすく

外国人の方にへは簡単な言葉で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→面談等により相談実施

□ 猶予後の手続き案内とあわせて、必要に応じ支援機関につなげる。

□ 簡易な相談であったとしてもその中で困りごとを聞き取ったり償還履歴を照会するなどして、必要な支援を提案するようにしている。

 

期限到来に伴う償還に関する調査票未提出者へのフォローアップ

目的

期限到来(主に緊急小口資金)に伴う償還に関する調査票未提出者のうち、過去に償還実績はあったが滞納が積み重なっている借受人は何らかの事情があって返済ができていないと思われる。生活状況やニーズをヒアリングし生活改善に向けた総合的な支援を行うことで、借受人世帯のフォローアップができないかと企図した。

 

対象者の抽出

□ 令和 7 年 4 月末時点で調査票未提出
□ 滞納回数が 5 回以上 12 回以下

→333人(世帯)

 

 

事前準備

 

 

 

 

 

 

 

□ 訪問する2 週間前に訪問予告の手紙を発送

□ 生活状況をヒアリングするための調査票を作成

□ 職員の安全第一!訪問は最低2 人1 組で!

□ 9 カ月に渡って訪問する長期シフトで計画

 →「1 クール2 週間」で3 人の職員が20 人の借受人宅へ訪問する計画

 

訪問の流れ(実績数は令和8年2月末時点)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

事前告知したうえで訪問しても、不在や連絡がつかない人の割合が多く、アプローチの難しさはあるが、相談対応できた人の中には救済制度利用につながった人もいる。訪問はつながりにくい人とつながり、個々の状況に応じた支援の入口となっている。また、借受人の暮らしぶりや支援ニーズを知る機会となったことや、アウトリーチの経験を積むといった点で職員の支援力が向上した。

コロナの終息後は相談件数も減ることが想定されていたが、特例貸付をきっかけに社協の認知度が高まったこと、貸付後もフォローアップ支援を継続したことで、相談件数はコロナ前より増加している。フォローアップ支援はすぐに成果が出るものばかりではない。借受人は特例貸付に関わる課題以外にも様々な困りごとを抱えている方も多いことから、「地域生活課題を受け止め解決につなげる社協事業としての取組み」「相談のハードルを下げ、細くてもつながり続ける支援の展開」「“困った” を見逃さない」といった視点で、社協の総合力を発揮するときであると考えている。

 

福祉広報2026年3月号記事「東京都における緊急小口資金等特例貸付フォローアップ支援事業の“今” ~一人ひとりが安心して暮らせる地域社会の実現をめざして~」はこちら

 

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