多世代型コミュニティスペースenn
場所があるからやりたいことができる。人とのつながりを大切にして、誰かの可能性になれたら
掲載日:2025年7月4日
2025年7月号 み~つけた

 

「自分の居場所」と感じられる場づくりを  

門前仲町駅から歩いて数分の路地裏にある多世代型コミュニティスペース「enn」。住宅兼電気工事会社だった場所を、ennのオーナーである北原千寿子さんが中心となって閉業を機にリノベーションし、2021年4月にコミュニティスペースとして生まれ変わりました。看護師として在宅医療に携わっていた経験から「介護者を含め、孤独を抱えている人が多い」と北原さんは実感。「世代を問わず気軽に誰かと話せる環境があれば」という思いから立ち上げた、年代を問わない多世代が集うみんなの居場所となっています。建築士やWebに詳しい人、移住支援や町おこしに取り組んでいる人など、いろいろな経験と知識をもつたくさんの仲間の協力によってできたennは、まさに人の「縁」が生みだした場所です。 

 

広いキッチンや畳の部屋、プロジェクター設備も備える3階建てのennは、ワークショップやヒーリングイベント、調理から始める食事会など、さまざまなイベントに活用されています。

 

ennのオープン時から続く名物イベントの「ピンコロエクササイズ」。月2回開催されるこのイベントは、パーソナルトレーナーの先生を迎えて1時間の体操をした後、みんなで北原さんお手製のお昼ご飯を囲みます。98回目となる6月上旬の日も、和やかな雰囲気とともに食事がすすみ、参加者からは「ずっと家に居るだけだからここがあって良かった!」との声が。それを聞いた北原さんから自然と笑みがこぼれます。

 

ここが誰かの人生の足がかりになれば  

スチームコンベクションオーブンや業務用冷蔵庫など、キッチン設備が充実しているのもennの特徴の一つです。そのため、自分で飲食のお店を持つ体験をしてみたい人、キッチンを使ったイベントをやりたい人なども利用しています。ここでの経験を生かし、実際に自身でお店を始めた人もいるそう。ennは誰かの「やりたい!」を応援する場所でもあります。

 

自ら食事を提供したり、キッチンをここまで充実させているのは、「食」はどの世代でも共有して楽しむことができる、「食」から生まれる楽しい時間をみんなで共有する場所にしたい、という北原さんの思いがあるからです。 

 

イベントの参加者だった人が次は主催者として借りに来ることもあります。「こんな場所を探してた」と言われると、北原さんもやっていて良かったと、やりがいを感じるそうです。

 

今後のennについて、北原さんは子育てをしているお母さんたちにも活用してもらいたいと話します。なかなか子育てがしづらいと感じる人が多い今、日頃の子育てに対する悩みや、他愛もない話をして気持ちを発散できる、そんなお母さんたちの交流の場になってほしいと。

 

 「enn」にはつながりの「縁」や「円」、支援・応援の「援」と、さまざまな意味が込められています。一人ひとりが自分を大事に、みんながみんなを大事にできれば社会が良くなる。そんなオーナーの思いとともに、ennはこれからも誰かの「可能性」を広げる場となるよう、「居場所」を提供していきます。

取材先
名称
多世代型コミュニティスペースenn
住所
江東区門前仲町2-4-4
概要
多世代型コミュニティスペースenn
https://peraichi.com/landing_pages/view/monnakaenn/
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