
山内 康太郎さん
都内の高校に通う高校2年生。学生団体「ボランティアプレイス」の
代表をしながら、個人でも地元のボランティア活動に参加している。好きな食べ物は唐揚げ。
あらまし
- 子どもの時に触れた価値観や経験をもとに、中高生にボランティアを身近なものとして捉えてもらいたいと活動してきた山内さん。そのはじまりや取組みへの思いについて、お話を伺いました。
親の仕事で幼少期は地域を転々としていました。小5から中2まで米国のワシントンで過ごしたのですが、コロナ禍で思い通りの生活がなかなか送れず、近所では抗議活動や暴動も起きていたりして、社会的な混乱を肌で感じる日々でした。今思えばそこで自分は変わったなと思います。渡米前とは触れる情報も環境も違って、さまざまな体験を通して、価値観も広がって。“ボランティア”との出会いもまさにその時でした。現地の友人に声をかけられて公園で掃除をしたり、オンラインで小学生に勉強を教えたり、いわば友人と遊びに行くような感覚。学校もボランティアについて情報提供や制度化といった環境が整備されていて、そうした中で過ごした自分にとっては“ボランティア”は特別ではない、身近な存在でした。

誰かの第一歩が生まれる場所に
帰国後は地元の中学校に戻り、コロナ禍も後押ししてすんなり馴染めました。そんな中学生活の最後に仲の良い友人と電車を乗り継ぐ旅に出たのですが、確か群馬あたりを揺られていた時だったはず(笑)。「俺たちで何かやってみない?」という話になって、起業とかアイデアがいろいろと出た中で、最終的に自分の提案にみんなが賛同してくれました。それが2024年5月に設立した学生団体「ボランティアプレイス(以下、ボラプレ)」のはじまりなんですけど。当時中学生だった自分が地域でボランティアをやろうにも情報が少なかったり、受入れにハードルがあったりして、ボランティアに対する捉え方や状況が日本とアメリカで大きく異なることにギャップを感じていました。高校生の自分たちだからこそ、そこに対して何かできるのではと始めてみて一年半が経ち、現在は都内をはじめ全国から集まった高校生26名で運営しています。

活動当初は都内のボランティアセンターに問い合わせたボランティア情報を自分たちの言葉で同世代向けにSNSで発信したり、自分たちが実際に参加した活動を綴ったりと情報発信に注力していました。次第に、ボランティアをやったことがない人が情報に行き着くハードルが高いことを実感し、“ボランティアへの第一歩”を生み出せるようなイベント企画にも取り組んでいます。都内社協や同世代の他団体とコラボした企画も実施していて、来年春には都内で大規模なゴミ拾いイベントも計画しています。中高生目線で参加しやすい日程や規模、気軽で楽しい企画を意識しているほか、団体の代表として、運営メンバーがまずは楽しみ、文化祭の準備をしているような関係性で常にいられることを心がけています。

企画のテーマや実施場所はさまざまで、
最近だと防災をテーマにした勉強会も。
その中でもクリーンウォークは誰でも参加しやすく、
会話が自然と生まれるので、大切にしている取組み。
若者を起点に助け合いが広がる社会を思い描いて
一年半取り組んでみて、活動分野や地域を特定しないがゆえの壁にぶちあたることも多く、団体を継続する難しさを感じています。とりわけ運営資金の確保や、学校生活と両立した運営体制の構築が喫緊の課題で、応援や期待をしてくれる人がいる中、その思いに応えていきたいと悩みまくっているところです。

これまでの活動を通じて、同じような思いで取り組む同世代や地域の人に出会いました。同時に、国や地域によって社会貢献や市民活動に対する意識の差があることも感じています。多くの社会問題に直面している日本の現状を考えると、若者からもっと助け合いの風潮が広がればいいなと思っています。そんな助け合いのマインドが広がることのきっかけに「ボラプレ」がなれたらなんて。自分自身も多様な世界に触れ、何事も経験することを大切に、自分ができることを続けていきたいです。

https://www.volunteerplace.org/
イベントやボランティア情報のほか団体への寄附も随時受付中







