部会長 手塚 真一さん((社福)村山苑 村山荘 施設長)
副部会長 富澤 達也さん((社福)アゼリヤ会 優仁ホーム 施設長)
地域勉強会担当 高橋 正隆さん((社福)救世軍 自省館 施設長)
あらまし
- 今号では、 東社協中期計画の取組みの柱Ⅰ「つながり、支え合う地域づくり」に基づく救護部会の取組みについてお届けいたします。
重複障害があったり、路上生活をしていたり、DV被害者であったり―。さまざまな障害や何らかの生きづらさにより日常生活を送ることが困難な人が、その人らしく生きることができるように支援に取り組んできた救護施設。1950年制定の生活保護法に基づく入所施設として、障害や年齢、背景等を問わず、支援を必要とする人を受け入れ、居住支援を基礎とした生活支援をはじめ、地域移行を見据えた居宅生活訓練など、その人の状況に応じた生活の場を支えてきました。また、地域で暮らす人の一時入所や相談など生活困窮者等の支援にも取り組み、「地域のセーフティネット」を担ってきた救護施設の役割は、血縁や地縁が弱体化し、一人ひとりの問題が多様化する現代においてますます大きくなっているといえます。
全国救護施設協議会からも地域のセーフティネット施設として機能するために、関係機関との連携による地域支援を目標とした行動指針が出されているほか、2024年には国から個別支援計画の制度化が示され、地域との連携が一層求められている状況があります。こうした動きを受け、都内10か所の救護施設で構成される 東社協救護部会は2025年度の重点的な取組みとして「施設の専門的な機能を活かした地域づくり」を掲げ、関係機関や地域住民等に施設を理解してもらうことから始めています。部会長の手塚真一さんは、「関係機関をはじめ、福祉を勉強する学生や地域住民にも救護施設がまだまだ知られていない現状があります。支援が必要な人につながるには、まずは救護施設のことを地域に知ってもらわなければ」と取組みの背景を話します。
自分たちの取組みや思いを多様なかたちで伝えることから
救護施設は一体どんなところなのか―。まずは都内10施設の特徴や取組みをまとめたパンフレットや、職員のインタビューを交えたPR動画などを部会として作成し、広く知ってもらうことをめざしてきました。また、こうしたメディア発信に加え、利用者の地域移行を担う職員間の情報交換を目的とした地域勉強会を、近年は「拡大勉強会」として参加対象を都内福祉事務所や更生福祉施設にも拡大。今年で3回目となる勉強会の担当者である高橋正隆さんは、「事例を共有して意見交換をすることで、救護施設の役割や機能に対する理解がすすむとともに、顔のみえる関係性が築かれることを意図しています」と話します。続けて副部会長の 富澤達也さんは、「一施設だけでは伝わりにくいことも、複数の施設の話を通じて、関係者の理解が深まることを実感しています」と改めて部会として場を持つ意義に触れます。そのほか、部会外の場で事例発表をしたり、民生児童委員の見学を受け入れたりと、多様な切り口から施設を知ってもらうことをすすめています。

誰一人取り残さない、地域のセーフティネットであり続けるために
「地域のセーフティネット」として地域の生活困窮者等に向けて取り組んできたそれぞれの施設。これまでの取組みを継続しながら、地域に対してどんな取組みをしていくべきなのかを常に模索していると皆さんはいいます。法人として生活相談所を立ち上げ、地域で暮らす人の相談を受けてきた手塚さんは、「生活保護を受給できないけれど経済的に厳しい世帯とか、8050世帯とか、制度の狭間にあって支援が必要なのに手が届いていない人が多くいることがこの間みえてきました。救護施設はそうした人にどうやって支援をしていけるか。もちろん救護施設だけではできないし、地域の多様な関係者とともに考えていかなければなりません。そのためにも救護施設のことをまずは知ってもらい、理解してもらう。それが施設の専門性を活かした地域づくりへの大きな一歩では」と改めて強調します。地域で暮らす人の命と生活を支える「地域のセーフティネット」であり続けるために何ができるのか―。都内10施設はこれからも向き合い続けていきます。
パンフレットや動画は部会ページからご覧いただけます。








