
社会福祉法人黎明会 救護施設あかつき
課長 山﨑 拓郎さん
あらまし
- 救護施設あかつきで、日々障害がある人たちと関わり、自立を支援している山﨑拓郎さんに、福祉の世界を志したきっかけや、“ 福祉人” としてのモットーや次の世代へのメッセージなどをお聞きしました。
いつの日からか福祉を意識するように
小学校低学年のころに父が大病を患い、手術成功率数%といわれた中で成功はしたものの右半身麻痺の重度障害が残ってしまいました。今振り返ると、そこから徐々に福祉が身近になっていったように思います。また、母方の祖父母の家がお寺だったこともあり、幼いながらに仏教の教えや祖父母の檀家さんへの接し方を見ていくうち、ホスピタリティや寄り添いといった福祉の素地のようなものが養われていったのかなとも、今は思います。
福祉を職業にしたいと考えるようになったのは高校2年生のころです。はじめは高齢者施設で働きたいと思っていたのですが、とある障害者施設へボランティア活動に行ったときにさまざまな衝撃を受け、障害者施設で働くことに興味が出てきました。そんな時、実習先での紹介を受け、初めは障害者支援施設(当時の知的障害者入所更生施設) に入職しました。新規立ち上げの法人・施設だったこともあり四方八方に駆けずり回る日々でしたが、ゼロからのスタートを経験できたことはもちろんのこと、多くの困難や課題に直面したことやそこでの人との出逢いは、今の私が在ることの必然だったのかもしれません。
4年半勤務したあと、縁あって現在の社会福祉法人黎明会へ転職。12年間は障害者支援施設で従事し、その後、救護の舞台へ異動、今年で10年目を迎えました。現在の業務は、入所相談をはじめとした、各関係機関(行政や病院等) との連絡調整、施設運営といった間接業務がメインです。現場での相談支援業務や、利用者一人ひとりの希望・要望に沿った個別支援計画書の作成をしている仲間を見ていると、うらやましく感じる日々も多くあります。きっと、現場が好きなんでしょうね。
救護施設をもっといろいろな人に知ってもらいたい
救護施設は、生活保護法に基づく施設です。精神保健医療福祉分野を中心にあらゆる福祉の業種がチームで動くので、その業務内容は多岐にわたります。もちろん、大変なこともたくさんあります。人手不足で業務がうまく回らない時もありますし、利用者の急激な感情の変化への対応は日常茶飯事で、時には心ない言葉を投げかけられることも。しかし、この仕事を辞めたいと思ったことは一度もありません。
利用者の中には、それまで障害への理解がなく辛い思いをしてきた方や、「私なんて」と自己肯定感が低い方もいらっしゃいます。そんな方たちの気持ちを理解し、支援者と利用者ではなく“人と人” として寄り添う姿を基本に、明確なゴール設定のもとで向き合い続ける。一筋縄ではいきませんが、そうすることで利用者も心を開いてくれると信じていますし、必ず何らかの変化が出てきます。理解し合えたと思った瞬間はたとえようもない喜びがあります。救護施設ではあらゆる関係機関を活用しながら、インクルーシブなサポートを日常業務として行う素敵な仕事だなと常々感じています。とはいえ、救護施設の認知度はまだまだ低いので、もっとたくさんの人たちに知っていただきたいですね。
生来、ポジティブな性格もあってか、忙しいこと=楽しいと感じるタイプで、目の前の課題は「自分自身の栄養素」として前向きにとらえています。型にはまった福祉ではなく、いろいろな視点を取り入れながらいつまでも柔軟な姿勢を忘れないようにしたいです。
実は高校三年生からDJ(HIPHOP、R&B)を趣味にしていて、年に数回、クラブでDJをしていた時期もありました。福祉とクラブの世界をつなげたいと思ったこともあり、自分のDJミックステープを流して踊るというダンスレクリエーションをしたこともあります。人と違ったことをするのが面白いし、新しいことに積極的にチャレンジしていこうというマインドは昔から変わっていません。
頑張りすぎず、“適当”に力を抜き、オンとオフの切り替えも大切と感じています。休日はシニアバスケで汗を流すことが、私にとって働く上での原動力のひとつになっています。
この仕事は一人ではできません。これまでいろいろな人たちにたくさん助けられて今の自分がいます。今、管理職という立場になり、運営側と現場のギャップにジレンマを感じることもありますが、うまくバランスを取りながら楽しく、働きやすい職場づくりのために尽力していきたいです。
人とのつながりと出会いの大切さを感じられるのが福祉の世界。私は、歴史あるこの施設で働けることを誇りに思っています。初心を忘れず、人との縁を大切にしながら、利用者と向き合い続ける。その先には、きっと計り知れない達成感が待っているはずです。

知的障害者施設にいた時にお世話になった、
社会福祉法人みずき福祉会 現 理事長の阿部美樹雄さんが手掛けた本。
私のバイブルであり、実習生にも読んでもらっています
https://www.reimeikai1945.jp/pages/77/








