あらまし
- 東京都社会福祉協議会では、「令和7~11年度 東社協中期計画」において“協働”ですすめる取組みの柱を設定しています。今号からのFocus on!では、それぞれの柱に沿って定めた令和8 年度の重点取組みについてご紹介します。(東社協中期計画についてはこちら)
- 連載1回目は、取組みの柱Ⅲ「暮らしの安心づくり」に位置付けられた知的発達障害部会の取組みについて、部会長で(社福)武蔵野会 練馬区立光が丘福祉園施設長の金澤正義さんに取材しました。
節目を迎えた“ 東京大集会” とは
知的発達障害部会の特別委員会である「本人部会」は、前身の「本人の会(語ろう会)」を含めると30年以上の歴史があります。この頃から今も変わらず、知的発達障害の当事者が部会活動の主体であること、彼らの意見表明の場をつくることを大切にしてきました。国連で「障害者の権利に関する条約」が採択された2006年、日本では障害者自立支援法が施行、サービス利用料の応益負担等が導入されました。これに対し「利用したサービス量に応じて自己負担が増え、所得の多寡を問わず平等に負担を求める制度はおかしい、当事者の意思をふまえた施策になっていないと訴える必要がある」との部会員らの思いをきっかけに、『9.2東京集会(現在の東京大集会の前身)』が行われたのです。
本年9月5日に行われた東京大集会は20回目を迎えました。金澤さんはこれまでの活動を次のように振り返ります。「私たちは東京の障害福祉関係6団体*で協働して、その時々の問題意識をきちんと社会的に発信していこうという考えで東京大集会に取り組んできました。ここ数年でいうと、国連障害者権利委員会による総括所見(2022年) を受けて、障害当事者が自分たちのくらしの中における生活の場の確保や、自分たちのくらしを自分たちで選べる社会にしていくことの大切さを提起しています。それを当事者本人が自分の言葉で語り参加者がそのメッセージを受け取ることが重要で、支援者は日々の支援につなげ、東京都議会議員の皆さんには施策につなげてもらえるよう働きかける機会にしています。節目である今年度は、改めて“意思決定支援” をテーマに据え開催しました」。往々にして、福祉サービスはそれを利用する本人抜きに決められてしまうきらいがありました。誰もがその人らしく生きていける地域づくりのためには、当事者主体で本人の意思決定を支援することが肝要だと金澤さんは繰り返し強調します。

*障害福祉関係6団体: 東京都発達障害支援協会、
東京都手をつなぐ育成会、東京知的障害児・者入所施設保護者会連絡協議会、
東京都自閉症協会、日本ダウン症協会、東京都社会福祉協議会知的発達障害部会
これからの部会活動のあり方
約50年前に発足した知的発達障害部会は、いまや500を超える会員数にまで大きくなりました。障害福祉へのニーズや関心の高まり、当事者や家族、支援者らの訴えによる施策の整備等、会員数増加の要因はさまざま考えられますが、規模が拡大してもすべての部会員にとってよりよい部会活動になるよう、そのあり方を考えていく必要があります。「委員会などの要否を検討しスリムにしたり合理化したりしながら、部会として大事にしたいことはブレずに活動ができるよう工夫したいです。会員にとって役立つ部会活動でありたいし、何より日々各施設で支援している障害当事者の皆さんの生活をより豊かなものにしていかなければならないと考えています。現場のニーズに即した研修も必要だし、役員が“部会として大切にしたい” ことも浸透してほしい。その両方を知ってもらうため、広く情報を伝えるように心がけています」と金澤さんは話します。
広い視野を持ちながら目の前の支援を
苦悩の色を浮かべながらも、支援者としての矜持を持った表情で金澤さんはこう言葉を紡ぎます。「確かに障害者雇用率の上昇や福祉サービスの充実等改善している点も多々あります。しかし、10年前に津久井やまゆり園での凄惨な事件が起きてしまったことや障害者施策をめぐる昨今の国際的な情勢など、油断できない状況がまだまだあります。そうしたことに目を向け警鐘を鳴らしていくことと同時に、日々の支援において当事者の尊厳や人権を傷つけるようなことが決して起きないよう研鑽に励んでいます。自分たちを律しながら当事者主体のくらしの実現のため、部会全体としていろいろな人を巻き込みながら活動をすすめていきたいです」。
「東京特有の課題を背景に設置された都外施設も私たちの大切な仲間です」。
都外施設紹介ページはこちら
https://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/chitekisyogai.html








