「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」#4
すべてが広報になる
掲載日:2023年2月3日

 

あらまし

 

こんにちは。「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」の担当者イシイです。

1月に入り東社協では今年度の事業をまとめたり来年度に向けて動き始めたりしているところです。私は、一大プロジェクト「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」で密度の濃い時間を過ごしているからか、年度当初のことが数年前のことのように感じられ、時の流れは不思議なものだなとしみじみしています。

 

今回は、#3でお伝えした5+1つのDon!の中でも5Don!「どんな手段で」に着目していきたいと思います。

 

情報は「何となくのイメージ」にくるまって相手に届く

みなさんは、「広報」と聞いた時に、何を思い浮かべますか?

 

私は、広報誌やイベントのチラシを真っ先に思い浮かべていました。今は、SNSを思い浮かべる人も少なくないかもしれません。広報というと、集客のために周知したり、自分たちの活動を知らせたりすることが終着点なのだと思っていました。

 

もちろん、集客や活動を知らせるために広報するのですが、それは通過点であり、広報はもともと「Love Me」を伝えるものなのだそうです。吉田知津子さんによると、広告が「Buy Me」「(商品などを)買ってください」なのに対して、広報は「(商品そのものを)愛してほしい」という違いがあるそうです。

 

 

 

そして、情報は「何となくのイメージ」にくるまって相手に届きます。例えば、みなさんが会議や何かの集まりに参加するとします。その際、机や資料が整然と並べられていてピリッとした空気で背筋が伸びるような時もあれば、お茶菓子が用意してあって和やかにリラックスできて、「こんなのどう?」とアイデアが次々に出てくるような時もあると思います。その空気感を創ることが広報なのだそうです。

 

 

初めて吉田さんに会い、渾身の企画書(「福祉の魅力を伝えるための情報発信力の強化」〔現「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」〕)を見てもらった時、『「ちゃんとしなきゃ」っていうのがビリビリ伝わってくる!』と言われ、予想だにしていなかった言葉に鳩が豆鉄砲を食ったような状態になりました。事業タイトルをはじめ、企画書に並ぶ「東社協における情報発信の課題」「これまで重点的に行った情報発信事業」等の小見出し、その内容、かっちりした構成すべてのことが企画書をまとう空気となり、それは相手にも「ちゃんとしてください」というメッセージになって伝わっていくのだそうです。

 

タイトルや言葉、構成、文字量などいろいろな要素が、メッセージとして受け手に伝わっていくとは思いもしていなかった私にとって、ハッとする言葉でした。これまで、「多くの人に見てもらいたいから今風のデザインにして、どんな人も見やすい広報誌をつくりたい」「でも見栄えだけよければいい訳じゃないしな……」とめざす方向が分からなかったため、「空気感を創る」という概念は大きなヒントになりました。

 

 

話し合いの場づくりに「こうでなければいけない」はない

この「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」では、場づくりにも力を入れています。日頃、自分の業務でいっぱいいっぱいになってしまいがちでも、肩の荷を下ろして話せる時間に、そして、「こんなことやってみたらどうだろう?」とクリエイティブな気持ちになれる場をめざしています。

 

そこで第2回からは、メンバーのグループをくじ引きで決めたり、ワークの際に折り紙やクレヨンを使うことを始めました。「ふざけていると思われないだろうか」と内心不安になりながらでしたが、カラフルな折り紙にカラフルなクレヨンで書いたり、今日の気分で選んだ折り紙をつかって話すウォーミングアップをしたりするメンバーの表情は明るく、雰囲気も柔らかになり、うれしくなったことを覚えています。

 

その後も吉田さんの提案のもと、会議用の長机に気分が明るくなるような布をかけてみたり、新聞を巻いてみたり、メンバー全員でエプロンをつけてみたりさまざまな試みをしました。途中からはセッティングをメンバーにも手伝ってもらうことでアイスブレイクの時間にもなりました。あれこれとやってみるうちに、私自身も「ちゃんとしていなくてもちゃんとプロジェクトはできる」ことを少しずつ体感し、アンケートで学んだことをテーマにした絵を描いてみたり、「こんなことをしたら伝わるかな」と工夫してみたりと少し進歩できているような気がしています。

 

もちろん上手くいっていることばかりではなく、「あーだねこーだね」とわいわいしながら進めようと思っていたのに実際はうまく場づくりできず、静寂の空間になって反省したり、「やってみようと思っても、委託事業じゃ規約もあって変えられるところがない」という声に「そうだよね…やっぱり東社協ではできないのかも…」と弱気になったり、「プロジェクトで考えていくより、しっかりお金をかけてプロに頼むこと(が一番)だよ」という意見をもらって落ち込んだりすることもあります。

 

そんな時には、好物の餃子を食べ、いつもより少し長く寝て、「誰にも届かない広報はもうゴメンだ!」という初心と「すぐには変わらないからちょっとずつを続けていく」という吉田さんの言葉を思い出しています。今、結果として見えなくても、少しずつでも続けていけば昨日よりは良くなると信じて続けていきます。

 

第1回「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」の様子
暗い…なんか怖い…写真を見ているだけで緊張してきます

 

 

第5回「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」の様子

こう見えて「伝える」について真剣に考えています

取材先
名称
「伝える→伝わり合う広報プロジェクト」#4
概要
東京都社会福祉協議会 総務部 企画担当

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