社会福祉法人新栄会 更生施設 ふじみ
謙虚な気持ちを忘れず利用者と職員の想いに寄り添う
掲載日:2023年8月28日
2023年8月号 おしごと通信

社会福祉法人新栄会 更生施設 ふじみ

 生活相談員 副主任 ギャヴィン・麻衣さん

 

あらまし

  • 更生施設ふじみの生活相談員として8年目を迎え、現在は副主任を務めるギャヴィン・麻衣さんに仕事の魅力や利用者、職員との関わりへの思いなどについて伺いました。

 

実習での出会いが今の自分につながる

1年間アメリカの高校に通っていた時、友人がドラッグ所持で警察に捕まるのを見て、育った環境によって犯罪に手を染めてしまう心理を知りたいと思い、犯罪心理学に興味を持ちました。その後、福祉系の大学で社会福祉学を専攻し、加害者支援と被害者支援について学びました。

 

在学中、社会福祉士の実習で児童養護施設に行った際、生活困窮家庭で育った子どもと出会ったことが、更生施設ふじみ(※)に入職したきっかけとなりました。「人生」が周りの環境や人からどのような影響を受けてできているのか、もっと知りたいと思うようになり、さまざまな背景を持った人の支援に関わる仕事に就くことを決めました。

 

初心を忘れず利用者に向き合う

1年目は常に緊張感を持って仕事をしていました。仕事に慣れてきた3年目、利用者から私への不満の声が聞かれました。自分では丁寧に接しているつもりでしたが「言い方が強い」と受け止められてしまっていました。人によってそれぞれ感じ方や受け止め方は異なるので、どの利用者にも「対等」と思ってもらえるよう、自分の発する言葉にそれまで以上に気をつけるようになりました。当時はかなり落ち込みましたが、この出来事があったから自分自身の行動を省みることができたと思っています。それ以降の私のモットーは「常に初心を忘れない」こと。利用者に注意をしなければいけない時でも、一方的に伝えるのではなく、「自分のことをちゃんと考えてくれている」と思ってもらえるよう、相手の想いに寄り添った声かけを心がけています。また「一緒にあなたのことを考えたい」という思いを伝えるようにしています。

 

職員のやりたい支援もサポートしていきたい

副主任になってからは利用者を数名担当する以外に、福祉事務所や病院の主治医と連絡調整も行っています。

 

副主任になるまでと大きく変わったことは、休暇明けには自分の担当以外の引継ぎ内容にもすべて目を通し、気になったことは職員に確認するなど、常に現場全体の状況を把握するようになったことです。

 

また、職員が利用者への対応に迷った時には、アドバイスをしたり、施設長と一緒に解決策を検討したりしています。職員が働きやすい環境をつくることが、利用者への支援の向上につながると思うので、職員の悩みごとも受け止め、やりたいと思っている支援の実現に向けたサポートができるようになりたいです。

 

周りへの感謝の気持ちを大切に仕事と育児を両立

私には2歳と0歳の子どもがいて、現在2人目の育児休業中です。体力面や子どもの送迎などの時間管理の面で、育児しながらフルタイムで働くことは、正直大変です。一人目の子の育児をしながら職場復帰した時には「もう無理かも」と思ったこともありましたが、職場では子どもの迎えの時間に間に合うように、他の職員が配慮してくれることもありました。家族は、育休明けでも夜勤ができるようサポートしてくれました。育児をしながらもこうやって働き続けられているのは、周りの理解や協力があってこそだと思っています。初心を忘れず、利用者と職員の想いに寄り添うことを大切に、常に感謝の気持ちを持って、仕事も育児も頑張りたいです。

 

(※) 都内11か所のうち、単身女性を対象とする施設は3か所で、ふじみはそのひとつ。都内全域より措置された人が入所。

取材先
名称
社会福祉法人新栄会 更生施設 ふじみ
概要
社会福祉法人新栄会
https://www.shineikai.or.jp/index.html#
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