あらまし
- 放課後等デイサービスを利用する中学2年生の息子をもつ正木雅子さんにお話を伺いました。
中学2年生の息子は、週3回ほど学校から交通機関を使いながら、放課後等デイサービスへ一人で通っています。
NPO法人えがおさんさんのサービス事業「放課後等デイサービスすまいる」(以下、「すまいる」)を利用して2年になります。
小学生から高校生まで利用できる「すまいる」は、年齢層が幅広く、さまざまな障害をもつお子さんと出会え、世の中が「多様であること」を学んでいます。
息子が小学生の時から、「えがおさんさん」の移動支援サービスを利用しているので、親子ともども長いお付合いになります。息子を理解し、愛のある対応でスタッフの方に見守られ、親の私は安心して預けることができる居場所です。
情報は自ら足を運んで手に入れた
息子については、医師から出産の翌日にダウン症と告知を受けました。最初の頃はとても不安になりましたが、「どこかで情報を得なければ」とも考えていました。1か月入院していた息子の面会のために、産院へ通っていました。ある日、その帰り道にあった保健センターが目に入り、「ここなら何か教えてくれるかも」と入りました。
保健センターでは、新宿区に住むダウン症児者の親の会「ぽけっとの会」(以下、親の会)を紹介してもらい、さまざまな情報と今につながる出会いがありました。
親子の距離感を保つための居場所として
夫婦ともに頼れる身内が近くに居ないため、育児疲れや体調がすぐれない時でも、まわりに頼れず気が抜けませんでした。しかし、親の会や療育を通じて、徐々に仲間もでき、精神的に楽になっていきました。
小学校は地域で育てたいと思い、近くの普通学級に通いました。当時は、「危ないから」という学校の考えで、一日中、親の付添いを求められました。授業中も親がそばにいるので、息子も息が詰まっていたと思います。お互いに距離がとれる場が欲しいと思っていた頃、「すまいる」がサービスを開始し、利用できるようになったのはラッキーでした。
安心感をえられて、たくさんの良いことがあった
息子にとって良かったことは、安心できる居場所や、学校以外の多世代の友人が増えたことです。
私にとって良かったことは、息子を理解し支援してくれる大人が増えたことです。私が居ない場所での息子の様子を「すまいる」のスタッフの方が教えてくれます。息子に良くないことがあった時は、その事を伝えておくと配慮した対応や声掛けをしてくれます。また、学校で良いことがあった時は、一緒になって喜んでくれて、息子は満足感や達成感をえられています。さまざまな人に見てもらえているという安心感があります。
笑い声が響く放課後等デイサービス。
ブロックアートでデイの仲間と楽しい時間を過ごす。(右が息子さん)
抱えこまないで、どんどん外へ
子どもが生まれたばかりの頃は、「親の私が何とかしないと」と気負いがありました。ですが、抱えこまないことが大切です。どんどん外に出て、自分の子どもの状況をまわりの人と共有し、支援してくれる人を増やしていくことが、今後の子どもにとってプラスになると思います。昨年、親の会のホームページができ、情報を発信できるようになりました。放課後等デイサービスのような居場所を求めている親子が相談でき、外とつながれるようにと、私なりに親の会で応援活動をしています。
グループナビ
- 特定非営利活動法人えがおさんさん東京都新宿区の難病・障害児のための訪問看護や居宅介護の事業所。重症心身障害児の受入れも行っている「放課後等デイサービスすまいる」は提供するサービス事業のひとつです。ホームページ:http://egaosunsun.com
http://egaosunsun.com