福生市公式キャラクターの「たっけー☆☆」と
あらまし
- 福生市民生委員・児童委員協議会の主任児童委員として、地域の子どもたちを見守る山田眞一さんにお話を伺いました。
地域の子どもを見守る
主任児童委員として主に関わるのは、妊娠期から概ね高校卒業までで、場合によって長い期間関わりを持つこともあります。地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるよう、「子どもの立場に立って考える」ということを大切にしています。大人は“大人の立場”で子どもにものを言ってしまいがちですが、今この子はどうしてほしいのか、何をしてほしいのか、子どもの立場に立って声をかけていけば、子どもはきっと応えてくれるはずです。
高齢者と児童の見守りでは、異なる面があると感じています。高齢者の場合は支援の同意が得られやすく、ご近所への声掛けがしやすい一方、児童の場合は子どもの未来と家庭の保護のため、より慎重になることが多くあります。「あの子は不登校だった」などという目で見られないよう気をつけなければいけませんし、関係機関へもつなげにくくなります。最低限の情報を地区の民生委員と共有し見守りますが、短時間で問題を解決できない難しさも感じています。
関係機関をつなぐ
子どもを見守る上では、関係機関が連携して対応することが重要です。過去に、小学校に登校できなくなってしまった児童がいました。不登校になった背景には、父親から母親へのDV(家庭内暴力)や兄弟の発達上の問題など、家庭内の問題がありました。母親が、それぞれの問題を個別に訴えていたこともあり、関係機関で家庭全体の情報を共有できていませんでした。そのことを地区の民生委員から聞き、主任児童委員として関係機関の橋渡し役となり情報共有したことで、家庭の問題の本質を把握することができました。結果として、的確なアドバイスができ、良い方向へと向かっていきました。数年後、中学校の卒業式に主任児童委員として出席した時、問題を乗り越え成長した姿を見て、自分の子どものようにうれしい気持ちになりました。
多くの目で、子どもの変化に早く気づいてあげることが大切です。虐待や不登校などの問題は表面化しにくい場合があり、学校などの関係機関からの情報は非常に貴重です。主任児童委員の認知度と活動についての理解を向上させて、今後も適切に連携が行えるよう、継続して各機関との関係づくりに努めていくことが課題です。
福生市で活動するということ
福生市には外国人も多く住んでいます。ベトナムやネパール、中国、韓国など多国籍で、文化も子育ての方法も国によって異なります。私自身、幼少の頃から福生市で育ちましたが、言語や肌の色が違っても、地域の中で特別な感じはありませんでした。市内に横田基地があり、昔から外国人がいる環境が当たり前だったからかもしれません。面積も小さい福生市ですが、コンパクトシティの利点を活かした支援ができる地域であると思っています。
そのほか、福生市民生委員・児童委員協議会では、妊産婦の方や子育て中の方の交流の場として、子育てサロン「はとぽっぽ」を主催しています。子育てに関する心配ごとや悩みを聞くことも、親子の支援につながると取組んでいます。
子育てサロン「はとぽっぽ」で子どもたちとのふれあい
活動の支えとなるもの
もちろん、うまくいくことばかりではありませんが、民生委員・児童委員の仲間の存在や子どもの笑顔が活動の大きな支えとなっています。あとは、単純に子どもが好きだから続けられるのだと思います。「安心しました」「ありがとう」と言われるたびに本当にやりがいを感じます。子どもの笑顔に勝るものはありません。子どもたちがいつも笑顔でいられる地域でありたいと願っています。
なるほどWord
- 主任児童委員
- 厚生労働大臣から委嘱され、ボランティアで福祉活動を行う民生委員・児童委員のうち、児童に関することを専門に担当する委員。
https://www.city.fussa.tokyo.jp/life/health/welfare/1002363.html