石神井ゆうやけ子ども食堂
地域の大人と子どもが出会う場所
掲載日:2017年11月29日
2015年7月号 みーつけた

石神井ゆうやけ子ども食堂。大人も子どももみんなで楽しく食べています。

 

地域のみんなで食べる

第1金曜日と第3日曜日の夜、石神井公園駅から徒歩数分の場所で「石神井ゆうやけ子ども食堂」は開かれています。ビルの階段を3階まで昇ると、そこには懐かしい味のある空間が広がっています。40平米ほどの畳のスペースに座卓と座布団、食器棚が並び、ピアノやフォークギター、マンガも揃っています。そこには、地域の人、学校の先生、牧師さん、大学生、ちょっと疲れた人とその人を支える人、そして子どもたち。少し狭くてごちゃごちゃしていますが、いろいろな人が食事を楽しんでいます。

 

地域には、経済的な理由で十分に食事を食べられない子や、お金はあっても一人で菓子パンだけ食べている子どもがいます。ある小学生は、深夜に一人でファミリーレストランで食事をしていたそうです。そのような子どもを地域で支えるため、練馬区で長年不登校の子どもたちの居場所活動を続けてきた「なゆたふらっと」と、地域の団体が協働し、地域で子どもと大人が「食」を通じて時間と空間を共有できる場所をはじめました。

 

品数多く栄養満点。地元の野菜も使っています。

 

子どもが飽きるまで付き合う

「なゆたふらっと」は、平成3年に不登校の子どもをもつお母さんや地域の人が中心となり始まりました。代表者が変わりながらも今まで継続して活動しています。

 

週2回、午後、3~5名の6歳から15歳までの不登校の子どもと、2~3人のスタッフが時間を過ごしています。モノポリーで遊んだり、外遊びをしたり、ピアノを弾くなど、子どもたちが飽きるまで付き合っています。自身も不登校の経験がある「なゆたふらっと」代表の鈴木秀和さんは「最初は子どもたちは人にも場所にも慣れていない。好きなことを見つけてもらい、その子が主役になれるようかかわっている」と話します。また、鈴木さんは「子どもたちは、集団の中で窮屈さを感じて疲れ果ててこの場所に来る。そして、学校に行っていないことで『悪いことをしている』と感じている」と話します。不登校を経験して今は大学に通っている人等、地域の人と出会うことでほとんどの子が15歳になると自らの意思で高校に通い、巣立っていきます。

 

ピアノは大人も熱中しています

 

君だって大丈夫

子どもたちの多くは学校の中の関係が生活の大半を占めており、地域の人と出会う機会があまりありません。「石神井ゆうやけ子ども食堂」にも「なゆたふらっと」にも、同じ境遇の子どもだけではなく地域の様々な大人が訪れます。たくさんの人を見たり接する中で、「学校や家の中だけがすべてではない」「不登校になっても高校や大学に行ける」と肌で感じるようになります。石神井公園に遊びにきたら、あなたもふらっと遊びにきてみませんか。

 

取材先
名称
石神井ゆうやけ子ども食堂
概要
石神井ゆうやけ子ども食堂
練馬区石神井町1-24-6 原田ビル3階
http://nayutaflat3.blogspot.jp/

練馬区で長年、不登校の子どもたちの居場所活動を続けてきた「なゆたふらっと」と地域の団体が協働し開催。1人300円でバランスのとれた栄養たっぷりの食事が食べられます。子ども1人でも参加できます。

・石神井ゆうやけ子ども食堂:毎月第1金曜・第3日曜 18時~20時
・なゆたふらっと:毎週水曜・金曜(祝祭日は休み)13時半~17時半
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