あらまし
- 都内の社会福祉法人が運営するサービス付き高齢者住宅で生活する島田秀子さん(83歳)に、お話をうかがいました。
公団の抽選に17回も落選
ここでの生活は2年になります。「私のために建ててもらったのよ」と友人に言うくらい満足しています。
以前も同じ町内に住んでいました。ここから15分位離れた場所です。4軒並んだ戸建ての借家に1人で住んでいました。高齢になってきたし、近所の人ともこれからの住まい方について話していました。市の公団にも申し込みましたが、17回も落ちました。今思えば、ここに入居するためだったのかしら(笑)
弁護士さんからのアドバイス
ある日、市のセンターでやっていた無料の遺言相談に参加しました。遺言書の書き方について弁護士さんに相談したついでに、公団の話も聞いてみました。そしたら、「今後、いつ介護が必要な状態になるかわからない。ケア付きの住宅を考えた方がいいのでは?」と言われました。ケア付きなんて、そんな条件のいい話あるわけないじゃないなんて思っていたら・・・あったんです(笑)。市報の小さな記事で、このサービス付き高齢者向け住宅が新しくできることを知りました。
南向きの部屋が抽選で当たる
早速入居を申し込みました。部屋は抽選でした。北向きの部屋だったらキャンセルしようと思っていたら、2階の南向きの部屋が当たったんです!一般の家庭で家を建て替えて、「今度からおばあちゃんの部屋は2階ね」という感覚でここに移りました。町内会にも老人会にもそのまま入っていられるし、通院先も散歩に行く場所も同じです。ご近所さんともお付き合いを続けられて、とても理想的でした。
3食昼寝つき?!
毎月の費用は、年金とこれまでの貯蓄で賄っています。3食おいしい炊きたてのごはんと、温かい汁物が出ます。おかずもおいしいですよ。日中は、コーディネーターさんが交代で勤務しています。食事でみんなが集まるときには、私たちの顔色や食欲などを確認しているみたいです。食事の時以外は部屋で過ごしています。食後に横になったり、3食昼寝つきですね(笑)。あとは、掃除や洗濯、裁縫や、散歩にも行きます。他の入居者の方は、昼間デイサービスに行ったり、掃除や洗濯もヘルパーさんにお願いする人が多いですが、私は全部自分でやっています。毎週金曜日には、介護予防の体操にも参加しています。
入居者の方とのお付き合い
入居した時から、他の人は自分の部屋に入れないと決めています。もめ事が起こるといけないですからね。談話室もありますが、廊下で話し込むこともあります。廊下でのおしゃべりをうるさいと感じる方ももちろんいます。住人のもめ事は、共同で住む場合にはつきものですよね。難しいこともありますよ。コツは半分聞き流すことかしら(笑)月に1度は入居者懇談会があります。こうして欲しいということを伝えられる場です。私は、お風呂にもう1つ手すりが欲しいと先日お願いしました。
これからの生活
ここに来る時に、荷物をだいぶ整理して最低限のものだけを持ってきました。これからも、なるべく物を残さないように、日記はカレンダーに書いて1年が終わったら捨てるなどしています。以前は1時間だった散歩コースも、最近は1時間半かかるようになったり体も変わってきています。最初は少し狭く感じた部屋も、いまではちょうどいい広さです。何かあった時にここだったら安心。私にとって今、ここは最高の場所なんです。
なるほどWord!
- サービス付き高齢者向け住宅
- 平成23年10月に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」に基づく高齢者向けの賃貸住宅。各専用部分の面積や設備に一定の基準があるほか、見守りや生活支援サービスを受けながら生活できる住宅です。