広島県広島市/平成27年3月現在
【広島市安佐北地区災害ボランティアセンターの体制】
「すまいるカフェ」で横のつながり
石田さんは、戸別訪問活動を通じて、「被災者同士の横のつながりが必要」と感じていました。そのような想いから、皆が気軽に集まれる「すまいるカフェ」を開催しています。広島市安佐北区の4箇所の地域ごとに、10 月から月1回のペースで開催しています。始める前に、町内会長に相談したうえで、チラシを持って全戸訪問しました。チラシにはあえて「社協」の名前は出しませんでした。広島市安佐北区では、町内会ごとに地区社協がサロンを運営しており、それとは違うことを伝えるためです。また、「被災者」という言葉も使わず、誰でも参加できることを強調しました。
「すまいるカフェ」では、お茶やお菓子を食べながらのんびりと過ごし、日頃感じていることを自然と話合えるよう工夫しています。近所の人が参加するので、個人情報の壁がなく何でも話せる利点があります。自分の体調や仕事のこと、今後の生活の見通しなど様々な悩みが浮かび上がってきました。話し合う中で「近所に認知症の人がいる」「地域には障害を持つ子どもが暮らしている」などの地域の情報も話し合われるようになりました。
また、ボランティアが戸別訪問して「すまいるカフェ」のチラシを配布する「すまいるペリカン」という周知活動をしています。住民の方々の戸別訪問しながら、体調チェックや困りごとを把握できます。訪問することで「誰かが私を気にかけている」と感じてもらい、孤独感を取り除くこともねらいです。
石田さんは「地域には力を持っている住民がいる。その人たちを中心に、サロンで話された課題を地域で解決できるようになればいい」と今後の見通しを話しました。
すまいるカフェin 東原の様子。
コーヒーとお茶菓子を食べながらハンドマッサージを受けています。
災害が起きる前よりも住みやすい地域に
広島市安佐北地区には、被災された50世帯が移り住んでいます。安佐北地区とは馴染みが少ない方も多く、転居後のコミュニティづくりも課題となっています。
石田さんは、「災害でたくさんの悲しいことが起きた。この災害をきっかけにご近所同士の助け合いをもう一度再構築したい。災害が起きる前よりも住みやすい地域になったと言われるようにしたい」と話しました。
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