福岡県/平成30年3月現在
県社協による情報発信
地域福祉部地域課長の川崎展裕さんは、これまでの災害対応の経験からインターネットを活用したタイムリーな情報発信の必要性を感じていました。今回、支援Pの応援で環境整備がすすみ、ウェブサイトで「災害救援情報」や災害VCの活動状況を随時更新したり、フェイスブックでの情報提供を始めることができました。川崎さんは「活動者数やニーズ件数などのデータを掲載したことで、5年前と比べてマスコミやボランティアからの簡単な問合せが格段に減った。リアルタイムで情報を届けられるようになった」と言います。
一方で課題も多く、「たとえばニーズ完了件数では、数字上は未完了でも実際には完了しているものが多くあり、『まだこんなに残っているのか』という誤解を与えかねなかった。現地のニーズ票を確認して修正したが、どのような情報を発信するのかあらかじめ整理しておき、現地と見解を共有しておくことが必要だった」と言います。
ボランティア活動者数が減ってきた段階での情報発信についても「もっと具体的なところを示せればよかった」と言い、「どこのエリアでどのような状況だからこれだけの人が必要なのだということを、地図や写真を使って分かりやすく発信できたら、発災から時間が経っても参加してくれる人や長く関わってくれる人が増えたと思う」とふり返ります。
また災害時の状況は刻一刻と変化していきますが、個人を含めた多様な主体による発信がSNSなどで瞬く間に拡散され、タイムラグが生じたり情報が錯綜したりすることがあります。広域の団体として、現場職員やネットワークを活用して収集した情報をある程度まとまった形で整理し、正確に発信していくことがより一層求められます。
県内の災害VCは10月末までに閉所し、これに伴い福岡県災害救援本部も廃止されました。避難所も11月末までにすべて閉鎖され、避難者の多くはみなし仮設住宅や建設型仮設住宅などで生活再建に向けた暮らしを始めています。
福岡県社協では、今後も被災地の市町村社協と連携しながら復興に向けた取組みをすすめていく予定です。
http://www.fukuoka-shakyo.or.jp/