社会福祉法人千代田区社会福祉協議会
地域サポート課 菅 晏奈さん
あらまし
- 今号では、学生や地域の人たちと協働して広報誌を制作している、千代田区社会福祉協議会ちよだボランティアセンターの取組みを紹介します。
広報力強化のために誌面をリニューアル
千代田区社会福祉協議会が運営するちよだボランティアセンター(以下、ちよだボラセン)では、広報誌『Volunteer/Chiyodaボラ』を2か月に1回発行し、ボランティアの募集やイベント、助成金などボランティアにまつわるさまざまな情報を発信しています。4年ほど前に大幅に誌面リニューアルを行った背景について、ちよだボラセンを所管する千代田区社会福祉協議会地域サポート課の菅晏奈さんは、「コロナ禍の前からボランティアの活動に参加する人をさらに増やすためにはどうしたらいいか検討してきましたが、広報力強化の一環として、情報をもっと多くの人たちに届けるために誌面のリニューアルを決めました」と話します。
当時は、ボランティア募集やイベント、助成金などの情報のみ掲載していましたが、それだけでなく、実際にボランティアに参加した人の活動レポートや、千代田区内のおすすめスポットを紹介するコーナーなどを新しく加えました。そして、一部の誌面では、千代田区内に在学する大学生や在勤者・地域住民に記者として携わってもらうようにしました。
広報誌の両面を表紙にして、それぞれに違うタイトルをつけたのも大きなポイントです。「Volunteer」というタイトルの表紙は、現在ボランティア活動をしている人向けに情報誌のイメージを前面に打ち出しています。一方で「Chiyodaボラ」の表紙は、今までボランティアに興味がなかった人や若い人をターゲットにし、タウン誌のような手に取りやすいデザインにしています。
読者からの反響は大きく、広報誌を見てボランティアに参加したいという人や、記者として広報誌づくりに加わりたいといった問合せが増えているといいます。
『Volunteer/Chiyodaボラ』のほかに、年1回発行の特別号『Join+us(ジョイアス)』もリニューアルしました。『Volunteer/Chiyodaボラ』は、ボランティア募集や取材記事など旬の情報がメインですが、『Join+us(ジョイアス)』は、著名人への取材記事に加え、千代田区内外を問わず、ちよだボランティアセンターを知ってもらうための記事を多くすることで、『Volunteer/Chiyodaボラ』との差別化を図り、多角的な発信に取り組んでいます。
左の「Chiyodaボラ」の表紙から開くと、学生がボランティアを体験する
「今回のVolunteer Spot」のコーナーがあります。
右の表紙「Volunteer」からは、ボランティア情報などがすぐに読めます
活動の様子をレポートするコーナーが好評
リニューアルを機に新しくつくられたコーナー「今回のVolunteer Spot」は、大学生に「ボラダー」としてボランティアに参加してもらい、その様子をちよだボラセンの職員が記事にするという構成です。活動終了後には、千代田区内のカフェやリラックススポットにも取材をし、その情報を掲載しています。「ゆくゆくは大学生に取材先の選定から記事作成、撮影にも関わってもらいたいと考えています」と、菅さんは話します。
このほか、「ホッとニュース」や「REPORT」、「ボランティア記者レポート」コーナーでは、ホームページで記者を募集し、選出された人が記事を作成しています。記者は、千代田区内の在学・在勤者であれば誰でも応募できます。
中学・高校生にも活動を広めたい
課題は情報のマンネリ化。イベントが減る季節や取材先の選定など、情報収集には苦労することも多いですが、ちよだボラセンの職員同士の情報共有や、大学生や企業・地域住民の方々とのネットワークも活用して、旬な情報を届けられるよう心がけています。
今後取り組んでいきたいのは、より若い世代にボランティアの輪を広げること。そのために、中学生・高校生に広報誌を通じたアプローチを考えています。菅さんは「ボランティア活動を知ってもらう入口として、例えば広報誌制作のワークショップを開き、記者として広報誌づくりから参加してもらうことも考えています。そこから『難しそう』といったボランティアに対するイメージから変えていきたいです」と、今後の展望と想いを話してくれました。
ちよだボラセンの広報誌はこちらからご覧いただけます
- https://x.gd/wARpq
- ※URLを短縮しています。ちよだボラセンのホームページにリンクしています。
https://www.chiyoda-vc.com/