フランスベッド株式会社　メディカル大田営業所

主任　菅野 亜由美さん

あらまし

• 介護用品・福祉用具を取り扱う会社で、福祉用具専門相談員として働く菅野亜由美さんに、仕事へのやりがいや想いなどをお聞きしました。

大学卒業後、福祉用具を扱う会社へ

中学生くらいから漠然と高齢者の力になれる仕事がしたいと思っていました。福祉系の大学で社会福祉士の資格を取り、卒業後は介護施設などで働くことも考えたのですが、ご縁があってフランスベッド株式会社に入社し、今年で12年目になります。

現在は、営業兼、福祉用具専門相談員としてケアマネジャーと大田区にお住まいの個人宅に訪問し、身体や住環境に応じた介護用品・福祉用具のレンタルや購入のご提案をしています。病院や高齢者施設などにもお伺いし、介護ベッドやリハビリ機器などの納入もしています。

大まかな一日の流れは、出勤後、書類作成作業を済ませてから営業車で営業に出て、納品業務やケアマネジャーさんやリハビリの医師など多職種の方々との会議、営業活動などを終え、夕方、営業所に戻ります。そこから事務的な処理や、福祉用具の組み立て、配送の準備なども行い、忙しいながらも充実した毎日を送っています。

利用者の立場でより良い提案を心がける

介護用品・福祉用具の営業は、製品をただ納品するだけではなく、多職種の方々と協働しながら、利用者一人ひとりの身体の状態や生活環境などに寄り添って提案・納品する仕事です。納品したら終わりではなく、利用者の状態は変化し続けるので、モニタリングや定期点検など、関わりは続いていきます。人生の最期に関わることもあり、「提案した用具ひとつで利用者の生活が変わる」というプレッシャーをいつも感じながら、責任感をもって一人ひとりに向き合っています。

新人の頃の印象的なエピソードです。末期がんの方に車いすをご提案する際、さらに気持ちよく使ってもらうために、腰に挟むクッションも一緒に提案したことがありました。結局、その利用者は亡くなってしまったのですが、その方の奥様から「あのクッション、とても良かったみたい」と言ってもらえました。私なりに一生懸命考えて提案したことが間違いではなかったと、とても嬉しく、忘れられない出来事になりました。

私たちの扱う介護用品・福祉用具は、オーダーメイドではなく既製品なので、利用者に100％合うものが見つかるとは限りません。だからこそ、足りない部分を工夫してご提案をしたり、それでも難しい場合は利用者が納得してもらえるように傾聴したりして「できないことをできないで終わらせない」ことを心がけています。また、ご提案時には、相手が話しやすくなるような明るくオープンな雰囲気を自分から作ることも大切にしています。普段、利用者のご自宅へ伺うことが多いので、身だしなみや立ち振る舞いにも気を使っています。

手すりを導入することで利用者が立てるようになったり、歩行器にしたら一人で買い物に行けるようになったりなど、利用者の生活の質が上がり、喜んでいただけた時は心の底から「この仕事をしてきて良かった」と思います。利用者だけでなくご家族が笑顔になるのも、とても嬉しいです。

「菅野さんにお願いしたい」と言われるために

利用者は高齢者だけではなく障害のあるお子さんなどさまざまです。それぞれ身体の状態や生活環境、価値観も異なる中で、人として向き合い、どうやったら信頼を得られるかを考え続けてきました。人間力が試される仕事でもあると感じています。主任として、後輩や部下にも「ものを売るのではなく、自分という“ 人間”を売るんだよ」と伝えています。

主任の立場でもあるので、マネジメントの難しさを感じることはありますが、部下の悩みは真摯に受け止め、気軽に相談してもらえるような職場の雰囲気づくりを意識しています。部下によく言うのは、「やらされ感ではなく、どうせやるなら楽しんで仕事をする」ということ。頑張りすぎず自分を鼓舞して、楽しい方に考えをシフトしていけば、仕事への原動力につながりますし、進むべき道が見えてくるのかなと思います。自分にも同じ言葉を言い聞かせながら、部下のロールモデルになれるように頑張りたいです。

「フランスベッドの製品がほしい」ではなく「フランスベッドの菅野さんにお願いしたい」と言ってもらえるように、これからも利用者のQOL（クオリティ オブ ライフ）向上の一助になるよう努めていきたいです。

愛猫「ちくわ」（８歳・女の子）が毎日の癒しです。

実は７年前に営業所の室外機に挟まって鳴いていたのを

 私が保護しました。ちくわの顔を見れば、疲れも吹き飛びます！