国立市健康福祉部福祉総務課 (社福)国立市社会福祉協議会
既存の機能を活かしながらCSWを中心とした地域へのアウトリーチ、当事者活動や住民主体の農園を活かした参加支援と地域づくりを展開 ー国立市における重層的支援体制整備事業の取組み
掲載日:2025年1月31日

(3)国立市のCSW配置のきっかけ

    第一期の「まごころプラン」から、「参加協働による福祉のまちづくり」「人間性の尊重と自己実現」「ソーシャル・インクルージョン」の実現という三本の基本理念を継承しつつ、第三期より初めて具体化された“目指すまちの姿”として、誰もが自分にあった居場所を持てるまちを掲げ、住民の方々の生活の質の向上を目指した取り組みが展開されています。

  国立市社協では、平成26年からCSWの配置が始まりました。当時、多くの場合、民生児童委員の方々が社協に来所して地域の情報や課題について相談していました。その状況から、もっと外に出掛けて地域の困りごとを吸い上げていく必要性を感じたこと、さらに小地域福祉活動を推進していきたいという社協の方向性もあり、西地区をモデル地区とし、CSWを1名配置しました。まずは、楽しいことから始めて地域との関係づくりをしようと、「西のひな祭り」というひな祭りの運営を、自治会・町内会、老人会などに限らず広く地域の方に声かけをし、イベントを重ねながら集まって話せる場づくりを進めてきました。

   そこから少しずつ地域を広げ、東地区・中地区、南部の谷保地区にそれぞれ1名配置され、計3名のCSWの配置となりました。

   国立市の特徴として、JR南武線を境に、北部の新興エリアと昔ながらの田園風景が残る南部エリアの2つに分けられます。北部のエリア内でも、北地区や西地区など、地区ごとにも独自の文化や風習慣習を持っているところがあり、同じ方法で地域のなかに入ろうとしても、上手くいかない状況もあります。それは、南部エリアも同様であり、地縁のつながりが強い地区や、新しい住宅地での自治会への未加入、高齢化による自治会の減少などの課題が出てきています。そのなかで、現在は全域をフォローする係長1名を置き、北部エリアと南部エリアに1名ずつCSWを配置しています。CSWは社協から地域に出向く方法をとっています。

  国立市内には、地域の方々によって運営されている“たまり場”として、西福祉館内に「みんなのお部屋」、北福祉館内に「たまり場」があり、子どもから高齢の方までの誰もが気軽に立ち寄れる集いの場となっています。

  「みんなのお部屋」では、なんでも相談会という出張型の相談窓口を開設しています。この場所の運営に関わっている方が協力的なこともあり、実際は、地域の方と支援者を含めた地域交流が行われるような、自然に集まれる場となっています。「たまり場」ではサロンが立ち上がりました。立ち上げの準備段階からCSWが関わっており、現在は高齢者の集まりが中心となっています。サロンを開く際には、近くのクリニックの待合スペースとして使うのもいいのではという話も出ており、今後は近くの小学校の子どもたちも立ち寄れる場にもなるよう、CSWが伴走した支援をしていく方向になっています。

 

 

取材先
名称
国立市健康福祉部福祉総務課 (社福)国立市社会福祉協議会
概要
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/
https://www.kunitachi-csw.tokyo/
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