茨城県つくばみらい市、つくばみらい市社会福祉協議会
他市の避難所でも地域コミュニティを大切に~避難者同士の会話がお互いを支えあう~
掲載日:2018年12月3日
茨城県つくばみらい市/ 平成30年11月現在

ポイント

  • (1) 他市の被災者を2か所の避難所で最大約600名受入れた。
  • (2) DMATの医師や保健師のアドバイスからサポートが必要だと判断された避難者は、各施設で必要な対応をとった。
  • (3)避難所には仕切りを作ることがかなわなかった。しかし、避難所には仕切りを作らなかったことで、お互い支えあう場所になっていた。
  • (4) 今回の経験をふまえ、避難所の運営をつくばみらい市、避難者、自主防災組織、ボランティア等と共同で運営していく「避難所開設運営マニュアル」を作成中。

 

あらまし

  • 「平成27年9月関東・東北豪雨」災害において、つくばみらい市では、床下・床上浸水を含め57件、農作物も被害を受けました。さらに、隣接する常総市からの要請を受け、避難所を1か月間、2か所で開設しました。DMATの医師や保健師のアドバイスからサポートが必要だと判断された避難者は、各施設で必要な対応をすることになりました。避難所の一つになった「きらくやまふれあいの丘すこやか福祉館」には、0歳から92歳まで幅広い世代が避難していました。避難者は発災してすぐに自力でつくばみらい市まで避難してきた人が主です。つくばみらい市社協ボランティア市民活動センター長の松尾好明さんは「避難所で職員が全て手を差し伸べることが良いわけではない。避難所でも普段の生活ができるようなしくみを考えることが大切」と指摘します。手配していた段ボールが届かなかったので、すぐに仕切りを作ることができなかった。数日経って、仕切り用の段ボールが届いたので、避難者に仕切りを作るようにすすめたが、一部の避難所では、避難者から避難者同士で仲良くなったので仕切りの必要はないという声があった。「仕切りがない分、避難者同士が会話をする機会もあったし、お互い支えあっていたのだと思う」とつくばみらい市社協ボランティア市民活動センター長の松尾さんは話します。今回の経験をふまえ、避難所の運営をつくばみらい市と避難者、自主防災組織、ボランティア等と共同で運営していく「避難所開設運営マニュアル」を作成中です。これは避難所運営以外にも、応急対策、復旧対策、通常業務など同時にこなす必要があると経験したことがきっかけです。また、当時は市町村間で決めごとがなかったため、初動対応に時間がかかったというのが教訓です。そこで、鬼怒川とその隣接する小貝川の下流域の10市町や茨城県、国土交通省等で構成する「鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会」を発足しました。市町村間の広域避難を検討しており、これにより避難予定者数の把握や受け入れる避難所の開設準備などを事前に行うことができます。

 

取材先
名称
茨城県つくばみらい市、つくばみらい市社会福祉協議会
概要
つくばみらい市
http://www.city.tsukubamirai.lg.jp/
つくばみらい市社会福祉協議会
https://www2.tm-shakyo.jp/
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