参加者募集チラシ
あらまし
- 8月の3日間、東久留米市において小学生とその保護者を対象に、右記プログラムが開催されました。「災害時、72時間子どもだけでも生き抜く力を」との主催者の呼びかけに、市内のさまざまな機関や企業が協力しました。
72時間子どもだけでも生き抜く力を~「助け合おう避難所の会」と社協との協働事業~
本プログラムは「助け合おう避難所の会」が提案し、東久留米市社会福祉協議会(以下「東久留米市社協」)との地域協働事業の一つとして共催されました。この地域協働事業とは、地域の困りごとを解決する企画を地域の各種団体から募集し、助成だけでなく社協のノウハウも提供しながら一緒に事業を行うというものです。東久留米市社協ボランティアセンターの児玉大地さんは「団体にとっては企画が実現できる、社協も新たな団体とつながることができる、双方にメリットがある」と話します。
今回の企画をもちかけた「助け合おう避難所の会」代表の土居靖さんは、東日本大震災をきっかけに、仕事でお世話になった東北の方々に恩返しをしたいとの思いから、復興支援や防災の活動をはじめました。これまで同会では、赤ちゃんと避難所、ペットと避難所、外国人と避難所などの勉強会を開催してきました。
今回は、子どもたち、そしてその保護者世代のニーズに焦点を当てました。
「助け合おう避難所の会」代表 土居靖さん
「町の人たちと知り合いになろう」
災害はいつ起こるかわかりません。特に東京では大地震が起きたら、都心に通勤している家族は帰宅困難となり、子どもだけが一定期間家にいることになる可能性があります。東日本大震災のときの教訓から東京都帰宅困難者対策条例では、事業所に対し、従業員の一斉帰宅の抑制と3日程度事業者内に留まる要請もしています。また、72時間は生存のデッドラインとも言われています。
その72時間を想定し、本プログラムでは、発災時に子ども自身が身を守るところから、避難し避難所運営を手伝うまでをストーリー仕立てとしつつ、単元ごとを学ぶ内容になっています。子どもたちに「災害時」をリアリティをもって想像してもらい、その上で知識とスキルを学び、対処方法と自信をつけてもらう、そして、そのプロセスを通し、助け合いや支え合いのしくみを体感する構成となっています。
なお、本プログラムの実現にあたっては、市の防災防犯課や消防、警察のほか、市内の2つの団体、商店街、3つの企業が協力をしています。地域貢献と親子の防災教育のために、皆、快く引き受けてくれました。
1日目プログラムの様子を紹介
1日目は「地震が起きてから避難所に向かう」までがストーリーとなっています。開校式を経て、災害直後の対処方法、家とまちの安全点検、日頃からの備えを学び、昼ご飯に保存食を食べました。「乾燥野菜が水でおいしくなってびっくりした」という感想が子どもからありました。午後は、ボーイスカウトやケータイショップの方から、助けを呼ぶ方法や携帯電話等での災害伝言板などの連絡方法を教わりました。その後は、避難所までの防災まち歩き。ここでは、防災まちづくりの会・東久留米、滝山中央名店会、消防署、警察等の協力のもと、日頃歩いている道の途中に災害の時に助けてくれる人や役に立つ物、道具があることを確認しました。子どもたちからは「公衆電話はかけたことがなかった」「また意識して歩いてみる」などの声があがりました。
炊き出し隊募集のポスターを書いたよ。
伝わるかな?
警察や市の防災防犯課の方からは「地震直後は公的な機関もまた被災しており、どんなにがんばりたくてもいつものようには動けない。また、優先しなければならない業務もある」「まずは、自分たちで自分たち自身を守ることが大切ということを学んでほしい」という話がありました。最後に土居さんから「地域には、いざというとき助けてくれるいろいろな人たちがいる。普段から知って仲良くなっておこう」と、災害時につながっておきたい、まちのさまざまな機関や立場の人の説明がありました。
商店街の防災倉庫の中をみせてもらったよ!
移動基地局車に乗せてもらったよ!アンテナがどんどん伸びていったよ!
残りの2日間では、避難所で家族が到着するのを待ち、避難所運営を手伝うという設定で、アウトドアスキルや避難所でのチームワークづくり、けがの手当てなどを学びました。
プログラムを通し地域もつながった
実施後のアンケートでは「勉強になった」「面白かった」「今回学んだ”日頃からの備え”を実践する」などのコメントが複数ありました。何よりプログラムを通して、子どもはもちろん、保護者や多様な団体の人同士がこのプログラムを機につながれたことで、東久留米の防災力が上がるきっかけの一つになりました。
https://www.higashikurume-shakyo.or.jp/