小平市健康福祉部生活支援課 (社福)小平市社会福祉協議会
生活困窮社自立支援事業の窓口に相談支援包括化推進員と5つの圏域にアウトリーチするCSWを配置ー小平市における重層的支援体制整備事業の取組み
掲載日:2025年1月28日

 このように、「生活困窮者自立支援事業の相談窓口にCSWが配置されている」というのは小平市の特徴の一つです。同事業の相談には、もともと制度につなごうとするだけでは解決が難しいケースが少なくありません。CSWは日頃から地域の集まりに出向いたり、居場所の立ち上げや運営の支援に関わることで、地域のインフォーマルな活動と接点をもっています。一方で、各分野の相談支援機関にはこれまでに培われた高い専門性のノウハウやネットワークがあります。そうした両者の強みを活かした連携をすすめていくことが今後、期待されます。

 各圏域には生活支援コーディネーターが地域包括支援センターに配置されていました。そこへ新たに生活相談支援センターから圏域に出向いてくるCSWが配置されました。平成29年度から令和2年度までのモデル事業での実績を活かして、令和3年度からの新たな4つの圏域でも生活支援コーディネーターと連携した地域づくりが始まっています。例えば、「小平市高齢者交流活動(こだまちサロン)支援事業」では、CSWと生活支援コーディネーターが連携しながら、高齢者を主体とした多世代の自発的な交流活動の拠点の立ち上げや運営にかかる相談対応、費用助成を実施しています。連携が年々すすみ、助成団体は令和3年度に13団体でしたが、令和5年度には32団体に増加しています。

3 「移行準備事業」の期間を通じて、社協内でも部署を超えた連携 

   小平市社協では、生活困窮者自立支援事業のほか、障害福祉サービスなどさまざまな事業にも取り組んでいます。「移行準備事業」の期間中には社協内の部署を超えて重層的支援体制整備事業について勉強会を開いたり、部署を超えた事例検討に取り組んできました。機関を超えた連携をすすめていくためにも、まずは社協内での連携も重要です。

 CSWには市内のさまざまな関係機関とのつながりを強化していく役割がありますが、同じ課内のボランティアセンターと連携することで、新しいつながりが生まれたこともありました。それは例えば、ボランティアセンターが実施している「福祉体験学習」の事業です。小中学校に出向き学習の場を提供するものですが、これに担当地区のCSWが一緒に関わることで、教員やスクールソーシャルワーカー、保護者との新たな接点が生まれました。教育分野との連携が難しい中で、これは大きな一歩になりました。また、ボランティアセンターを中心に実施している「福祉バザー」にひきこもりの方がボランティアのスタッフとして関わる機会も得られました。それは、本人にとって知っている職員が近くにいる環境で社会参加の一歩を踏み出す機会になります。さらには、ボランティアセンターの情報誌『こふくだより』の発送を手伝ってもらう活動に参加する取組みも展開しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取材先
名称
小平市健康福祉部生活支援課 (社福)小平市社会福祉協議会
概要
https://www.city.kodaira.tokyo.jp/
https://www.syakaifukushi.kodaira.tokyo.jp/index.html
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