10法人12事業所による実践報告
東京都地域公益活動推進協議会(以下、推進協議会)では、平成29年9月12日(火)、あいおいニッセイ同和損保新宿ビルにて、「『社会福祉法人における地域公益活動』実践報告会―今こそ社会福祉法人がその力を発揮するとき」を開催しました。
推進協議会は、平成28年9月21日に設立し、平成29年9月現在、参加法人数は301法人、1千44事業所です。
今回の実践報告会は、推進協議会の設立から1年が経つ中、初めての開催で、推進協議会員だけではなく、地域公益活動に関心のある方も含めて約250名が参加しました。
はじめに、推進協議会の会長である(社福)村山苑の品川卓正さんから開会の挨拶がありました。
続いて、東京都立大学名誉教授の小林良二さんをコメンテーターに迎え、各社会福祉法人《第1層》、地域(区市町村域)の連携《第2層》、広域(東京都全域)の連携《第3層》による3層による取組みについて、10法人12事業所から実践報告がありました。
各法人の特性を活かした活動の“見える化”
まず、第1層の各社会福祉法人の取組みとして、八王子市南大沢にある(社福)誠美福祉会「誠美保育園」園長の折井誠司さんより報告がありました。誠美保育園開園当初、周辺地域は町会や企業などの職場も無く、日中地域にいるのは高齢者、子ども、専業主婦のみでした。これからの地域のあり様を危惧し、地域の中にある施設として、施設を開放して、子育て支援事業をボランティア主体で運営することや、社会的活動のミーティングの場に活用してもらうなど保育園という枠にとらわれない取組みを実践してきました。1法人1施設であっても、保育園に関わるすべての人にとって居心地のよい場所になることをめざしています。
第2層の地域(区市町村域)の連携による取組みでは、(社福)大洋社常務理事の齋藤弘美さん、「大田区立ひまわり苑」主査の篠崎南奈さん、「大田区立コスモス苑」家族支援相談員の武田祥代さんから、区内4法人の連携による、ひとり親の「小・中学生」、「15~39歳」、「親」など、世代ごとの「3つのれいんぼう」について報告がありました。社会との接点を持ちながら「生きる力」をつけるための体験型居場所づくりに取組んでいます。
第3層の広域(東京都全域)の連携による取組みでは、(社福)慈生会「ベトレヘムの園病院」事務部長の菊池誠さんから「はたらくサポートとうきょう」の「中間的就労」の取組みについて報告がありました。多様性を受容することにより自分たちも成長したことや、受入れ体制など具体的なプロセスや今後の課題について報告がありました。
今回の実践報告により、社会福祉法人が、地域社会のさまざまな変化の中で、既存の制度では対応できない、地域の狭間にあるニーズに向き合い、各法人の特性を活かした活動に真摯に取組んでいる姿が“見える化”されました。推進協議会では、今後も引き続き、各法人の取組みや社会福祉法人の地域でのネットワーク化を後押しする活動を展開していく予定です。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/koueki/index.html