スターキッズ
自宅を開放し、地域住民とともにつくりあげるみんなの居場所
掲載日:2018年3月26日
2017年12月 みーつけた

管理者の島浦大さん(左)と代表の武者直美さん(右)

 

子どもから高齢者まで、誰もが集まれる憩いの場

JR横浜線相原駅から徒歩5分、町田街道沿いにある「スターキッズ」は、たくさんのおもちゃが見えるガラス張りのサンテラスが目印。陽当たりのいいイベントスペースでは、絵手紙づくりや歌に料理、子育て講座など、地域住民の方々のやりたいことが持ち寄られ、現在は約15団体の多様なイベントを、平日ほぼ毎日開催しています。土曜日には月1回、近くにある法政大学の学生が運営するカフェも開かれ、世代や地域を問わず、さまざまな人が集まる空間となっています。

 

 

 

スターキッズのはじまり

地元の幼稚園で働いている代表の武者直美さんは、幼稚園の保護者にも就労している方が多いため、いずれ駅に近い場所で保育所などをつくれればと考えていたところ、地域の高齢の方が日中の居場所を探しているという話を聞きました。同じころ、セットバックで自宅を建替えることになったので、市民活動をしている地域の方や大学の先生などの助言を得ながら、2階建ての新しい家の1階を活動スペースとして開放することにしました。そして、すでに活動している方々がいた絵手紙づくりなどのイベントを始め、「集まれる場所があるので使ってください」と、近所の方に声をかけていきました。

 

 

 

地域が笑顔でつながっていく

武者さんは、「高齢の方々の活動を通して健康寿命を延ばしていき、地域の活性化につなげていきたい」と、活動の目標を話します。そのため、スターキッズに集まる人の関係は、「主催者」と「常連さん」、「お客さん」ではありません。ホームページを見てボランティアをしたいと麻雀のイベント時に訪れた大学生に、高齢の方がルールを教えて一緒に楽しむなど、その場にいる皆が主役になれる人の輪を、集まる人同士がつくり出しています。

 

武者さんの甥で、イベント予定を調整し、利用者と共に活動をしている管理者の島浦大さんは、「スターキッズに来る方は、元は別の地域にいたという方が多いのかもしれない。スターキッズが受け皿となり、地域に溶け込んでいくきっかけになっていると感じている」と言います。島浦さんも、こうした場所の運営は初めてで、年の離れた高齢の方たちとどう話せばいいのか迷いましたが、「だいちゃんと呼んでください」と、下の名前を“解禁”してからは自然な距離感ができ、通りがかりに立ち寄ってくれる人も増えました。武者さんは、「こじんまりした場所だから心が開けるのかもしれない」と話します。そして、スターキッズで顔見知りができることで、地域に「知っている人」が広がっていきます。島浦さんは、「今の世の中は、他人に声をかけるのは危ないと感じている人もいる。スターキッズでの出会いや活動を通して、地域に顔見知り以上の存在ができる安心感を持ってもらえる場所にしていきたい」と、今後の希望を話します。

 

武者さんは、折り紙のイベントを通じて、自身が通っていた保育園で折り紙を教わった先生と数十年ぶりに再会することができました。「子どもの学校が別々になってから疎遠だった親同士がスターキッズで再会したこともあった。新しい出会いや嬉しい再会を通じて、地域が笑顔でつながっていくのを実感する」と話します。

 

 

誰でも立ち寄れる開かれた場

これからは、フリーマーケットやご飯を食べに来られる企画など、より気軽に立ち寄れるイベントをさらに開く予定です。「大事なのは、場を開けること」と、武者さんは言います。多くの方に素晴らしい出会いが訪れることを願い、スターキッズはいつも温かくその扉を開けています。

 

 

取材先
名称
スターキッズ
概要
スターキッズ
〒194-0211 町田市相原町1261-1
http://www.starkids.tokyo/index.html

居場所づくりを求める地域の声を受け、幼稚園教諭の武者直美さんが自宅の一部を活動スペースとして開放し、平成27年10月開所。
タグ
関連特設ページ