相馬市立相馬愛育園
児童養護施設における子どもたちの震災
掲載日:2017年11月30日
ブックレット番号:1  事例番号:5
福島県相馬市/平成24年3月現在

 

ポイント

  • (1)児童養護施設は、子どもたちの外出時に災害が発生した際、安全を確認する体制が必要となる。
  • (2)子どもたちは災害に際して、自分の気持ちを我慢して訴えないこともある。
  • (3)非常時の環境が子どもに与える影響をふまえた支援が必要となる。

 

あらまし

  • 東日本大震災の発生時、児童養護施設の相馬愛育園では、ちょうど小学生が下校にさしかかる時刻。休みの職員も駆けつけ子どもたちを迎えに行き、夕方には全員の安全が確認できました。しばらくは夜、寝るとき子どもたちを食堂に集めて、いつでも避難できるよう余震の対応に努めました。半年後、子どもたちに個別の聞き取りをしてみると、「余震で眠れなかった」という声が出てきました。園長の木下旬さんは「直後にはそういう訴えがなかった。子どもたちなりに(周りを気にかけたり)精一杯だったんだろう」と、ふり返ります。
  • 震災の子どもへの影響は、遊びが減りストレスをためたり、テレビで見る映像に慣れてくると現実との感覚がズレることもあります。また、原発事故で避難区域が広がった際には、子どもの安全の確保に苦慮しました。そうした中、何年も音信不通だった親が震災を機に連絡してくることもありました。それでも親から連絡のない子もいます。そういう子に気を配ることも大切な支援でした。

 

取材先
名称
相馬市立相馬愛育園
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