小島 理彩さん
あらまし
- 小学生から高校生、成人している学生まで幅広い層を対象とした無料学習会(認定NPO法人キッズドアが運営)でアルバイトとして活躍するお茶の水女子大学4年生の小島理彩さんに、お話を伺いました。
スクールカウンセラーの存在が私の原動力
私の原点は、中学生時代の経験にあります。それは、家族や友人関係のことでスクールカウンセラーに相談したことです。話を聞いてもらっただけで悩んでいた気持ちが楽になり、「私も子どもたちの心を癒す存在になりたい」と憧れを抱きました。子どもに関わる仕事に就きたいと、大学では心理学を専攻し、将来は心理士になりたいと思っていました。
新型コロナが広がる前、ダンスサークルに所属しながら、民間学童や母子生活支援施設内の学童施設で保育のアルバイトをしました。
キッズドアで学習支援の出会い
子どもたちの学習のサポートができる学習支援に興味を持っていたので、次は学習支援のアルバイトをしようと思いました。
「学校」は子どもたちにとって日常生活の大部分を占めています。「勉強ができない」ことで劣等感を持ち、人生にマイナスの影響を及ぼしてほしくないと思ったからです。インターネットで検索し、「キッズドア」を知りました。
2021年から小中学生を対象にした学習会で、地域の子どもたちに勉強を教えています。また、22年3月からは高校生世代にも勉強を教えています。
生徒に合わせた対応をすることの難しさ
生徒によって学習意欲は異なり、大学合格をめざして毎日来る生徒もいれば、1、2か月に1回しか来ない生徒もいます。生徒一人ひとりに合わせた対応をしています。
学習会は、20代の生徒も多く、一人の人としての考えや意思があるので、どこまで踏み込んでいいのか分からず難しさを感じますが、自分を飾らず相手を尊重して、意見や考え方を聞き、できるだけ冷静に対応することを心掛けています。生徒との関係性を築けるよう雑談を交えながら指導をしています。
10代の生徒は、学校の悩みを打ち明けてくれたり、複雑な家庭の事情や辛い思いを話してくれた時には、「信頼してくれたのかな」と嬉しく感じます。どんな事情があっても将来に向かって頑張っている子どもたちの姿勢に、私自身が勇気づけられています。
学習支援の活動に関わって
私にとって、キッズドアの学習会は、とてもポジティブな場所です。
生徒や職員、学生アルバイトとの会話の中で経験や知識が深まり、日々勉強させてもらっています。その中でも特に子どもたちと関わるのは本当に楽しく、笑顔が見れたときや楽しそうに話してくれたとき、「学習支援に関わることができて良かった」と改めて実感します。
自分の夢をかなえるために
学習会に来てくれる子どもたちがいるのは嬉しい半面、必要としているのに支援の手が届かず、生活面や学習面で困っている子どもたちがいることに心を痛めています。子ども食堂のように、どんな境遇でも気軽に立ち寄れる居場所や学習会が地域にもっと増えればいいなと思っています。
今後は、大学を卒業後、心理士ではなく、社会福祉系の大学に編入して社会福祉士をめざすつもりです。福祉の知識を身に付けて、子どもたちの生活に密に関わりながら働きたいと思っています。
認定NPO法人キッズドアでは、子どもたちに学習支援や居場所支援を提供しています。 今回、高校の中退防止や進学をめざす生徒への支援をしている都内東部の学習会を取材しました。 https://kidsdoor.net
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