高野 宏さん
『街kadode実行委員会』代表
あらまし
- 結婚式や卒業式といった〝門出〟をキーワードに、国立を舞台にわくわくする企画を通して人や地域をつないでいる任意団体「街kadode実行委員会」代表の高野宏さんにお話を伺いました。
はじまりは国立から
どんなきっかけでもいいので、リアルにつながっていること。普段からのつながりが、コロナ禍や災害等の非常時に、それから高齢化に地域として対応できるかに直結すると思います。地域で活動する中で、大学生以外の20~30代とのつながりが難しいと感じています。最近では、若い世代で街や社会のことを考える”子どもと若い人のための「コワ会議」”を始動させています。
地域に向けた活動を続けて、直接関係のないことや利益にならないことでも興味をもつような社会になることをめざしています。例えば商工会の人たちが福祉に、福祉の人が商工会にといったように、常識が違う相手ともコミュニケーションが芽生えるようなしかけをしていきたい。知らない人に気軽に声をかけても「えっ?」って思われないまちの実現に向けて自分なりのまちづくりを続けていきます。
違う世界を知り、そして新たな活動につながる
国立市で働くこと第一で、市役所の児童福祉部で4年間過ごしました。そのなかで子どもたちの居場所やサポートをする場をまとめた「くにペディア」を地域の人と一緒に作成したことで、自分なりに地域のリソースを活用して何かできないかと考えました。そうして一人で始めたのが街で結婚を祝う「婚カラ」。結婚が切り口だったのは、自分の結婚式を考えた時に、家族や友人を呼ぶいわゆる一般的な方法ではなく、新たなやり方ができないかな……と考えていたことがきっかけです。現在は、つながりのあった地域のみんなと任意団体「街kadode実行委員会」を運営し、結婚式だけでなく卒業式や成人式などさまざまな「門出」を街で祝う企画を行っています。その人にとって記憶に残りやすいことを意識し「門出」を発想の起点としました。
また、児童福祉部で働いたことで福祉が身近なものになりました。市役所を離れてから4年半近く、事業所で精神障害者のケアや生活全般のサポートをしていました。働きながら福祉を学び、精神保健福祉士の資格を取得しています。今後は、自分が得意としている企画を通じて、障害者の人が表現できる場、そして仕事の場を生み出していきたいと考えています。
母の日撮影会での1枚
つながりから生まれる新たなまちの可能性
大学生から暮らす国立は“濃密なまち”という印象。イベントを企画するごとに協力してくれる人が増えたし、小さなまちなので人と人、地域のリソースがつなげやすいです。働いていた事業所で結婚式の装飾をみんなで作成したり、自分の結婚式の司会は結婚式を企画させてもらった方にお願いしたり(笑)。それぞれ自分のやりたいことや活動をしながらも、快く取組みに協力してくれる。そんなゆるくつながった人と人との距離感が心地よいです。
ただ、いろんな人とつながるからこそ相手の常識をまず知ることを大切にしています。つながる人は商工会の人であったり、福祉の人であったりさまざま。はじめから自分を前面に出すのではなく、相手の常識や文化を知ることから始めています。そうした活動を通じたつながりが増え、広がっていくことを体感しています。企画のディレクターであり、ソーシャルワーカーである自分にとって、特技をはじめとしたその人が持っている原石を引き出して、地域のリソース
旧国立駅舎で開かれた高野さんの結婚式
自分とは関係ない、利益にならないことに興味を持つ社会へ
どんなきっかけでもいいので、リアルにつながっていること。普段からのつながりが、コロナ禍や災害等の非常時に、それから高齢化に地域として対応できるかに直結すると思います。地域で活動する中で、大学生以外の20~30代とのつながりが難しいと感じています。最近では、若い世代で街や社会のことを考える”子どもと若い人のための「コワ会議」”を始動させています。
活動を通じて、「(一見すると)自分とは関係ない、利益にならない相手」に興味を持つ社会をめざしています。例えば商工会の人が福祉に、福祉の人が商工会にといったように、常識が違う相手ともコミュニケーションが芽生えるしかけをしていきたいです。知らない人に気軽に声をかけても「えっ?」って思われないようなまちの実現に向けて自分なりのまちづくりを続けていきます。
街kadode実行委員会の企画は国立のさまざまな場所で行われる
https://www.machi-kadode.com/