宮城県仙台市、福島県福島市/平成24年3月現在
宮城県社協における日常生活自立支援事業※は、宮城県内を、仙台市を除いて8つの圏域に分け、石巻市など3圏域では市社協に委託し、その他、気仙沼市・南三陸町などを含めた5圏域は、県社協が直接、日常生活自立支援事業を実施しています。(平成24年3月現在)
利用者支援の体制は、各圏域にある市町社協の1つにサポートセンターを設置。専門員2人をそれぞれ配置し、市町村社協と連携しながら、関係機関(地域包括支援センター、相談支援事業所、福祉事務所・保健師等)とは役割分担等を明確にした連携強化を図り、利用者が身近な地域で安心していきいきと暮らせるように取り組んでいます。
被災状況の確認をしようとしたものの…
3月11日、震災・津波被災直後は、通信・連絡・交通網が寸断され、各市町村社協・特に沿岸部の社協とは翌日になっても連絡が取れない状況でした。また、発災直後、ガソリン供給がストップしたために車も思うように使えませんでした。
このような中で、各地域サポートセンターでは、利用者の被災・避難状況等は、各市町村社協や各関係機関との連携のもと、速やかに把握できていたものの、県社協として、全ての専門員と連絡が取れ、全体把握と利用者の被災・避難状況等の確認ができたのは1週間後でした。
津波被害の大きかった、気仙沼市社協内にある気仙沼・南三陸地域福祉サポートセンターの専門員は、津波が引いた翌日以降、気仙沼市社協の職員と共に、徒歩にて市内避難所を回り、災害発生時の社協としての役割を果たすべく、地域住民の被災・避難状況等の把握に努めながらも、日常生活自立支援事業利用者の被災・避難状況等の把握を合わせて行いました。
「お金がないと不安」の気持ちに応えて
街の中心部が津波で被災し商店街も流され、停電・交通網の寸断に加え、金融機関も営業していない中、支払いや日常の生活費の手渡し等の訪問による通常の支援は難しい状況でした。
しかし、利用者の中には、「お金がないと不安」と、通常通りお金を届けてほしいと話す方もいました。「街全体の被災状況や、生活支援員も被災し、車も流されガソリンもない等の状況を十分理解していただけなかったということもあっただろう。しかし、被災し不安が募っている中で、専門員や生活支援員に来てほしいという気持ちの現われだったのではないのか」と、宮城県社協の日常生活自立支援事業担当者は話します。こうした不安に応えるために、隣接する街の金融機関になんとか出向き、利用者の不安をできるかぎり取り除くように訪問・見守り等の支援を行いました。
http://www.miyagi-sfk.net
(社福)福島県社会福祉協議会 地域福祉課
http://www.fukushimakenshakyo.or.jp