日本アノレキシア(拒食症)・ブリミア(過食症)協会
ありのままの自分を認めて、新しい自分に
掲載日:2023年10月24日
2023年10月号 くらし今ひと

NABAメンバーが使うNABAノート

 

あらまし

  • 摂食障害の自助グループ「NABA」のメンバーのかなさん(40代)に、摂食障害の症状が出てからの思いや、現在のくらしについてお話を伺いました。

 

◆相談できなかった学生時代

摂食障害の症状が出始めたのは、中学生の頃でした。摂食障害にも拒食や偏食などさまざまな症状がありますが、私は過食から始まりました。気づいたら「これ以上食べたくないのに止められない」という状態で、過食で太った自分が嫌になり、下剤の乱用を繰り返しました。次第に、学校生活に支障をきたすほど体調も悪化していきました。

 

そして「吐いてしまえば太らなくて済む」という考えが生まれ、次は自己誘発嘔吐と言って、自分から意思を持って食べたものを戻すようになりました。そんな日々が続き「自分はおかしいんじゃないか」と思うものの、当時は摂食障害の情報はほとんどなく、太っていることを恥じていた私は、人に相談することもないまま大人になりました。

 

◆診断が出た時の思い

12年前、私は出産や育児で気持ちが塞ぎ込んでいて、うつ病を発症しました。摂食障害と診断されたのはその頃です。私は他の当事者のブログなどから情報収集をしていて、そこに書かれている内容と自分の状態を比べて、「私の症状くらいでは摂食障害とは言えないんじゃないか」という気持ちになっていました。そのため、摂食障害と診断された時は率直に「やっとお墨付きをもらえた」と、嬉しさを感じたのを覚えています。

 

その後、デイケアやカウンセリング、認知行動療法などさまざまな治療法を試しましたが、あまり効果は見られず、残された道は自助グループだけでした。

 

◆自助グループの活動に参加して

NABAのミーティングに初めて参加した時は、食べ物や症状の話より、人間関係のことを話す人が多いことに驚きました。でも私も話をするうちに、食べ物を通して誤魔化してきた感情に気づき始めました。そこで初めて、子どもの頃から親との関係が上手くいかず葛藤が多かったことや、自分を大切にできない〝思考の癖〟が、摂食障害の症状につながったのだと考えるようになりました。

 

ミーティングでは泣いたり、家族や友人の前では出せない弱い部分もさらけ出すことができます。ミーティングに出ることで、ありのままの自分を認めて、新しい自分を育てているような感覚です。

 

◆くらしのなかで感じていること

最近は「美味しいもの巡り」にも行きます。あんこにハマって、大福やたい焼きの有名店を巡っていて、衝動的ではなく計画的に食べ物を楽しむのが新鮮で、幸せを感じる時間です。ただ、この趣味も「あんこ依存なのでは」と思ってしまう自分がいて、友人に話したら「〝食べ歩き〟しているなら安心した」と言われました。「そうか」と納得したのと同時に、何事も捉え方次第で変わるのだと気づいた出来事でした。

 

世間では、「摂食障害は女性や若者の問題」というイメージが広がっているように感じますが、NABAのメンバーには男性もいますし、世代もさまざまです。私も、ずっと摂食障害だけに苦しめられてきたわけではありません。そんな風に、摂食障害の人も一人ひとり背景があって、それぞれの人生があることに、関心を持ってもらえたらと思います。

 

その一方で、摂食障害や病気について、家族や友人に理解を求めるのは難しいとも感じています。「なんで分かってくれないんだろう」と思う時もありますが、周りに変わることを期待するよりも、自分の内面を変えていけたらと思っています。

 

取材先
名称
日本アノレキシア(拒食症)・ブリミア(過食症)協会
概要
NABA
正式名称は「日本アノレキシア(拒食症)・ブリミア(過食症)協会」。摂食障害の自助・ピアサポートグループ
https://naba1987.web.fc2.com/welcome/index.html
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