(社福)堤福祉会
震災の教訓をふまえ、広域連携のしくみづくりをすすめる
掲載日:2018年6月18日
ブックレット番号:7 事例番号:75
岩手県/平成30年3月現在

広域連携への模索

芳賀さんは施設や地域における対応をすすめる一方で、岩手県沿岸ブロック高齢者福祉協議会(沿岸ブロック高齢協)の会長として、沿岸部の甚大な被害を発信・共有し、広域的な支援につなげていくことを模索していました。

 

【県・県社協・高齢協等の対策会議等経過】

 

3月16日、芳賀さんを含む堤福祉会の職員・関係者数名は、沿岸部の状況を伝えるため、震災後初めて盛岡に向かいました。

通信が途絶えていたため情報が来ていませんでしたが、その日は岩手県高齢協正副会長の緊急対策会議が行われることになっていました。県庁の担当者にも同席してもらい、沿岸部の高齢者を内陸部で一時的にでも受入れてほしいと訴えましたが、「まずは現地調査をして他施設の受入れ準備を整えてから」、と理解が得られませんでした。

19日に再度盛岡へ行きましたが「沿岸のことは現場に任せる」とのことだったので、22日にらふたぁヒルズで釜石・大槌エリア対策会議を開きました。

この会議には、同エリアの施設関係者、役場関係者のほか、県、県社協、大槌町社協、災害支援NPO関係者などが参加。被災状況や支援状況を共有し、デイサービスやショートステイなどが必要な在宅高齢者の支援方策、被災地全体の支援スキーム、役割分担などを確認しました。

28日は宮古地区で、29日は盛岡で施設関係者などに高齢者の受入れについて説明し、特に定員超過による罰則がないことなどを解説しましたが、結果として多数の受入れは行われませんでした。

手続きの煩雑さなども考えられましたが、大きな要因は、法人間・施設間で事前の取り決めがなかったため、県全体で連携がとりにくかったことでした。

                                                                                                        【らふたぁヒルズで開催された釜石・大槌エリア対策会議】

 

 

 

 

取材先
名称
(社福)堤福祉会
概要
(社福)堤福祉会
http://tsutsumifukushikai.jp/
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