多摩ニュータウンの一角にある地域子育て支援拠点、子育て広場「いずみ」(以下、いずみ)は、近隣の乳幼児とその保護者の交流の場としてはもちろん、地域に開かれた憩いの場としても親しまれています。特に毎月第三水曜日に開催されるイベント「いずみランランフェスタ」では、さまざまな人が集まります。
フェスタの日、いずみを運営する「幼保連携型認定こども園せいび」に通う子どもたちが、前を通る遊歩道で盆踊りを披露すると、音楽に合わせて拍子をとりながら通り過ぎる人もいて、あたりは和やかな空気が流れます。建物入口の「土間」では、近隣の作業所手作りの菓子やパンが販売され、手作り小物やお惣菜もならびます。
キッチンのある「茶の間」には地域包括支援センターの呼びかけもあり、近隣に住む高齢者が集います。コーヒーマイスターの淹れるコーヒーを前に歌が始まると、ピアノの伴奏もあって、さながら歌声喫茶のようです。
茶の間の隣の「遊の間」では歌声を背に、乳幼児とその保護者が思い思いに過ごしています。
フェスタの賑わいを見て、楽器演奏の申し出や自家製の野菜を売りたいと声をかけてくる人もいて、そういった人たちが本体のこども園でも活動するなど、思わぬ広がりを見せるそうです。その様子について、いずみの管理責任者である折井真美さんは「 色んな人が世代や立場を超えて、ゆるやかに集える場になるといいなと思っています」と話します。
みんなの声が動かすサークル活動
折井さんが語るこの多種多様な交流が、声をあげやすい土壌を生み、サークル活動へとつながっています。
そのうちの一つ、編み物サークル「アミーゴ」は、折井さんの手による手編みおもちゃを見た人の「自分も編んでみたい」という声から始まりました。手編みおもちゃを通して子どもたちとつながり、さらには子育て中のママにアミーゴメンバーが編み物を教えるサークル「ママアミーゴ」も始まるなど、世代間交流が自然に生まれていきました。そのときは子ども好きの高齢の方が、保育ボランティアとして活動をサポートしてくれます。
「ここで知り合った人たちが、近所で声をかけ合うような関係になれるのが素敵」と、折井さんは言います。その視線はいずみの中だけではなく、地域や世代を超えた交流へも向けられ、「今後は小中高生ともつながりを広げていきたい」と目を輝かせました。
子育て広場「いずみ」
- 場所:八王子市南大沢5-12
オープン:月~金 10:00~15:00 ※園庭入口で、職員室に声をお掛けください。
問合せ先:幼保連携型認定こども園せいび 電話042-675-1551
https://kodomo.tokyo/izumi/