Ⅰ 中央区における保健医療福祉計画、地域福祉活動計画と実践
(1)3つの圏域とこれまでの地域活動
「中央区保健医療福祉計画2020」は、令和2年度~令和8年度までの計画で、令和6年3月に中間見直しが行われ、「中央区重層的支援体制整備事業実施計画」が内包されました。また、区内3つの圏域(京橋地域・日本橋地域・月島地域)の強みや課題、社会資源の需要と供給を洗い出し、支え合いのしくみづくりの基礎資料とすることを目的として、地域カルテを作成しています。中央区社協では、令和3年度~令和8年度までの6カ年計画として「第2期中央区地域福祉活動計画」を策定し、区民が主体となって活動を行う全員参加型計画として、区の保健医療福祉計画及び分野別計画との整合性を図りながら、地域福祉の推進に取り組んでいます。
月島地域は、高層マンションと昔ながらのまちなみが調和する古くて新しい街で、マンション単位の自治会も多い地域です。中央区社協では、区施設の空きスペースを活用して、平成29年に地域活動の拠点「勝どきデイルーム」の運営を開始しました。それに合わせてCSWを配置し、立ち上げ・運営支援することで、多くの地域活動が行われています。コロナ禍の取り組みでは、高齢者がスマホに慣れるようにと「集まれスマサポまつり」を、区民ボランティアやキャリア企業の協力のもと開催し、新たな繋がりが展開しました。
日本橋地域は、江戸の城下町として栄えた地域で、町会活動も活発です。中央区社協では、令和3年6月に、多世代交流スペース「はまるーむ」を社協独自に開設。開所日は、CSWが常駐して、ちょっとした困りごとの相談や、ふらっと立ち寄れる居場所として、地域の皆さんに活用されています。立ち寄られた皆さんの何気ない会話から、地域の情報をキャッチし、個別相談に発展することもあります。地域のニーズに合わせて、柔軟な活用ができることが自主運営の強みです。
京橋地域は、繁華街の銀座地区、印刷・製本業などが集中し居住地域でもある新川地区、中央区役所、築地場外市場など、住・商・工が混在する、区内で人口の最も少ない地域です。令和6年4月から、区役所本庁舎地下1階に、自立相談支援機関の機能拡充をした「ふくしの総合相談窓口」を開設し、7月には区内3つ目の多世代交流拠点となる「ツキチカ!」をオープンしました。『区役所に来たついでに』『どこに相談したらいいかわからない』などの相談も多く、圏域を担当するCSWと連携をしてアウトリーチ支援を実践することで、これまで相談につながりにくかったケースにも対応をしています。
これにより、3つの圏域に3つの拠点が整い、地域共生社会の実現に取り組んでいます。
区主催の「地域福祉ワークショップ」では、区民や地域の活動団体、民生委員などが参加して、地域課題の把握や共有をしています。CSW以外の社協職員もファシリテーターとして参加しており、今後は、区全域では区が主催し、社協は新たに小地域を対象としたワークショップを開催することを検討しています。
https://www.shakyo-chuo-city.jp/