Ⅰ 国立市で取り組んできた地域福祉活動
(1)市の地域福祉計画と社協の地域福祉活動計画が連携・協働
国立市は東京都のほぼ中心に位置し、面積は8.15㎢と全国で4番目に小さな市です。国立という名は、大正時代の末期の学園都市構想に基づいた地区開発の際に、当時の東京市と多摩地域を結んでいた鉄道(中央線)の東の国分寺駅と、西の立川駅の頭文字をとって「国立」と名付けられたとされています。人口は約7万6千人、高齢化率は約24%。文教都市として指定され、国立駅から南へ真っすぐ伸びる大学通りがメインストリートとなり、桜と銀杏が交互に植えられた景色は、新東京百選に選ばれる市の象徴となっています。市の北部は大学通りを中心に商業施設や閑静な住宅街が広がっていますが、南部は湧き水や府中用水が流れ、豊かな田園風景が広がる二面性を持った地域です。
国立市における地域福祉の実現を目指す共通テーマとして、「ソーシャル・インクルージョン」の実現があります。誰もが住み慣れた家や地域社会において、地域のなかであたりまえに暮らしていけるような地域づくりに向けて、市を始め、地域住民、社協、福祉関係者、医療や介護分野、ボランティアなどが一緒になって個別課題や地域課題の解決に向けて取り組んでいくという共通理念のもと、市では、令和5年4月に「国立市第三次地域福祉計画(令和5年度~令和10年度)」が策定されています。一方で、国立市社協では、「まごころプラン」が平成29年度から令和8年度までの10年を計画期間として策定されています。こちらは、だれもが自分にあった「居場所」を持てるまちを目指した住民主体の計画となっています。計画期間中には、中間評価を実施し見直しが行われています。新型コロナウイルス感染症の拡大による市民への影響が及ぶなか、これまでの方法に拠らず、地域で展開されている活動を事例として取り上げながら、令和6年度から令和8年度までの3年間の「まごころプラン(第三期第2次実施計画)」が策定されました。
https://www.kunitachi-csw.tokyo/