右)向台町地域包括支援センター センター長 近藤崇之さん
左)ハートフル田無 理学療法士 飯泉亮さん
あらまし
- 東京聖新会では、ハートフル田無(老人保健施設/西東京市)のデイケアで使用している機能訓練室を、平日のデイケアが始まる前の40分間「朝活」として地域の方たちに無料開放しています。
- 「朝活」では、機能訓練室にあるトレーニングマシンはどれでも自由に使用することができます。理学療法士が常駐し、一人ひとりに合った運動の助言を受けることもできます。
- ハートフル田無は、介護保険で利用する事業所なので、普段は要介護(支援)者の方たちの利用が中心となっていますが、この「朝活」は介護保険制度とは関係なく、地域の誰もが利用できます。利用にあたっては年齢も居住地も一切関係ありません。ただし、送迎はないので、自力で来られる方たちが中心です。
利用者にとっての「朝活」効果
取材当日も、散歩の延長で立ち寄った方や週3回自転車で通っている方、年齢が若いリハビリ中の方など、さまざまな方たちが三々五々集まり、それぞれがマシンを活用して「朝活」をしていました。
利用者の方たちは「ここで体を動かした後、家に帰って朝ご飯を食べるととてもおいしい」「コロナ禍で運動不足になり眠りが浅かったが、運動することで体調が良くなった」「他愛のない会話があるだけでも気持ちが軽くなる。1日中気分が沈むことなく健康で充実した時間を過ごせるようになった」と「朝活」の効果を話してくれました。
施設にとっての「朝活」効果
2017年4月に、「朝活」はスタートしました。この「朝活」の責任者である理学療法士の飯泉亮さんは「機能訓練室の空き時間にマシンを地域へ無料開放すること、それがここの理学療法士たちの共通の思いだった。私たちの地域公益活動であり、地域のフレイル予防に効果があると確信していた」と話します。当初は限られた理学療法士で対応していましたが、勤務体制を整備し、今ではすべての療法士の協力を得て実施しています。さらに飯泉さんは「負担の大きい自己流のトレーニングや頑張りすぎている方が多くいることが分かった。療法士の立場から動きのポイントや生活上のアドバイスを行っているが、リハビリ専門職がいる『通いの場』の重要性を再認識している」と話します。
ハートフル田無と同じ敷地内にある、向台町地域包括支援センターのセンター長を務める近藤崇之さんは「地域包括支援センター利用者の方たちにも活用してもらいたくて『朝活』のチラシを配った。その後、口コミで広がっていって、さまざまな方に来てもらえるようになった」と言います。「地域の方たちは、ここに高齢者の施設があることは知っていても、中はどうなっているのか、どんな人がいるのかを知らなかった。『朝活』で気軽に施設に出入りができるようになり、施設の機能や役割を体験してもらうことで、地域との信頼関係が構築できてきたと感じている」と話します。
さらに「地元の西東京市がすすめる自立支援の取組みである『短期集中予防サービス』などの一助にもなっている」と市の施策との連携についても話してくれました。
朝活の様子
http://tokyo-seishinkai.or.jp/
向台町地域包括支援センター「むこなみブログ」
https://mukonami.blogspot.com/