富田果蓮さん
ボランティアで学んだ手と手を取り合うことの大切さ
掲載日:2024年11月25日
2024年11月号 くらし・今・ひと

 

富田果蓮さん

都内在住の高校3年生。受験勉強の合間にドラマを見るのが日々の楽しみ。

 

あらまし

  • 幼少期から高齢者に食事を届ける配食サービスのボランティアを続けてきた富田果蓮さんに、活動を通じて学んだことや将来についてお話を伺いました。

 

子どもの頃、祖母と行ったボランティア活動がとても楽しかった

祖母が、稲城市を中心に高齢者の食事支援などを行う「NPO法人支え合う会みのり」で活動していたこともあって、物心つく頃からボランティアや地域活動に縁がありました。幼少期には祖母のボランティア活動について行くのが楽しみで、高齢者の方々にとてもかわいがってもらいました。そのうちにボランティアとして参加するようになり、高齢者の自宅にお弁当を届ける配食サービスや、公共施設で行う会食会の料理をつくるなど、今でもボランティアを続けています。最初は、年が離れているので利用する方々との関わりに不安がありましたが、通ううち徐々に心を開いてくれて、今ではお孫さんやペットのお話などを嬉しそうにしてくれます。会食会では、提供する食事をボランティアの皆さんと一緒につくります。季節や旬を活かした献立づくりや調理のコツなども学べてとても勉強になります。


「支え合う会みのり」では、「句会たまりば」という句会を開催していて、会報誌に会員から投稿された俳句を掲載しています。幼い時に興味本位で一句つくってみたら意外と楽しく、今でも趣味のひとつとして投稿を続けています。日常で起こった出来事や思い出を日記のように表現できるのが好きで、各種コンクールにも応募したりしています。

 

“支え合う心”が、さらに多くの人に芽生えたらいい

今までボランティア活動を続けてこられたのは、何より「話すのが好き」、「人が好き」だからだと思います。些細な話題でも高齢者と笑いながら楽しく食事や会話をしていると、じんわりと心が満たされ「人と人とのつながりっていいな」と思います。一方で、「高齢者の孤立・孤独」を身近に感じることがあります。これまでの活動から、パートナーが亡くなられて地域や人との接点が少なくなってしまった方や、さまざまな事情から社会と関わることができない方など、一人暮らしの高齢者が多いことを知りました。高齢者の孤立・孤独をなくすしくみがさらに整備された社会になればいいなと思います。また、私たちのような活動がもっと多くの地域で活発になれば、一人ひとりの心の中に“ 支え合いの心”が芽生え、助け合うきっかけになるのではないでしょうか。

 

ボランティアを続けながら将来の道を探っていきたい

“支え合う心”の大切さを考えるようになったのは、高校2年の時に、公共の場でトラブルに巻き込まれたことがきっかけです。「助けて」と叫んでも周りにいた人は誰も助けてくれませんでした。この経験から、少しでも一人ひとりが当事者意識をもち、困った人に手を差し伸べられる社会になればいいと思うようになりました。


今は高校3年生で進路を考える時期です。社会福祉学や社会学、心理学を学びたいと思っています。また、視野を広げるため、いつか国際ボランティアにも参加できたらいいなと思っています。文章を書くことも好きなので、ジャーナリストなどの職業にも興味があります。ボランティア活動を続けながら、いろいろなことにチャレンジして、自分のすすむ道を考えていきたいです。

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