利用者支援においては、職員が自分自身を知り、気持ちをコントロールできることが大切です。知的発達障害部会利用者支援研究会では、平成27年8月6日に「アンガーマネジメント」をテーマに学習会を開きました。
講師に、日本アンガーマネジメント協会シニアファシリテーターの阿部美樹雄さん(社会福祉法人みずき福祉会理事長・町田福祉園ゼネラルマネージャー)を招き、「意思決定支援」、怒りの感情に焦点をあてた「アンガーマネジメント」、心・言葉・表情・態度を良い状態にする「FLOW理論」の主に3点について学びました。
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで始まったアンガー(イライラ、怒りの感情)をマネジメントする(上手に付き合う)ための心理教育です。「怒り」は人間にとって自然な感情の1つであり、身を守るための感情です。そのため、”怒らない“ではなく、怒る必要のあることと、怒る必要のないことが区別できていないことが問題です。そして、「怒りは悪」「怒りは吐き出せば良い」「怒ればなんとかなる」等の「怒り」についての誤解もあると説明がありました。
学習会の中では、問題となる4つの怒りの説明がありました。
・頻度が高い
1日に何度かイライラする傾向がある。些細なことでも反射的にイライラしてしまう人
・強度が高い
怒った時、心が怒りで一杯になる
・持続性がある
一度怒ると何日も収まらない
・攻撃性がある
エネルギーが内側に向く人は自傷にもつながる
また、怒りは第二次感情であり、「不安、つらい、苦しい、痛い、嫌だ、疲れた、寂しい、ストレス、悲しい」という第一次感情が怒りの根本にあること。怒りの感情のピークは出来事があってから長くても6秒であることから、まずは自分の中で6秒数えてから対処する方法の紹介等がありました。
参加者からは、「私たちは仕事を通して、利用者、保護者、職員と多くの人たちと関わっている。その中で、自分の心をいい状態に保ち、怒りをマネジメント出来ることが”良い支援“につながると感じた」という感想がありました。
https://www.tcsw.tvac.or.jp/bukai/chitekisyogai.html