(社福)幸風会 クレールエステート悠楽
ハザードマップの浸水想定に基づいた早めの避難で利用者の命を守る
掲載日:2019年1月8日
岡山県倉敷市/ 平成30年12月現在
左から(社福)幸風会法人本部長・統括施設長の矢吹和弘さん、岡山県社会福祉協議会の矢尾直子さん、クレールエステート悠楽施設長の岸本祥一さん

左から(社福)幸風会法人本部長・統括施設長の矢吹和弘さん、岡山県社会福祉協議会の矢尾直子さん、クレールエステート悠楽施設長の岸本祥一さん

 

岡山県内で最も大きな被害を受けた倉敷市真備町

平成30年7月豪雨は、岡山県に甚大な被害をもたらしました。特に被害の大きかった倉敷市では全壊4,274棟、半壊1,064棟、一部損壊516棟の住家被害が出ており、52人の方が亡くなっています。そのうち51人の方が亡くなっている真備町地区は、南側を流れる小田川の決壊により広範囲にわたって浸水し、多くの方が上階や屋上などへ垂直避難せざるを得ない事態となり、約2,350人が救助されることとなりました(いずれも倉敷市発表の数字。平成30年8月29日現在)。

 

真備町の2か所で高齢者福祉施設を運営する社会福祉法人幸風会では、職員150人のうち約50人が何らかの被害を受けました。そのうち30人は自宅が水没し、非番の職員1人が亡くなっています。また、法人が所有する9台の車両と地域密着型特別養護老人ホームのクレールエステート悠楽も水没してしまいました。しかし、浸水地域にあった同施設から高台にある特養のシルバーセンター後楽へ事前に避難をしていたため、一人のけが人も出さず、利用者全員の命を守ることができました。

 

(社福)幸風会シルバーセンター後楽外観

(社福)幸風会シルバーセンター後楽外観

 

(社福)幸風会の運営施設

名称 施設概要 立地
シルバーセンター後楽 ○ 特別養護老人ホーム 定員80名
○ ショートステイ 定員20名
○ デイサービス 定員40名
○ 居宅介護支援事業所
○ 高齢者支援サブセンター
真備町箭田/※高台の上
クレールエステート悠楽 ○ 地域密着型特別養護老人ホーム 定員29名
○ ショートステイ 定員10名
○ デイサービス 定員30名
○ 居宅介護支援事業所
○ 地域交流スペース
真備町有井/※浸水地域

 

利用者の避難を指揮したクレールエステート悠楽施設長の岸本祥一さんは、「避難について利用者や家族から感謝の言葉をいただいたが、それは後楽があったからできたことだし、利用者の命を守るのは当たり前のこと。それよりも施設屋上に避難することになり、職員の命を危険にさらしてしまったことに責任を感じている」と話します。

 

取材先
名称
(社福)幸風会 クレールエステート悠楽
概要
(社福)幸風会
http://www.kouraku.or.jp/
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