宮城県仙台市/平成27年3月現在
「福ガール’s プロジェクト」の立ち上げ
せんだいファミサポでは、震災直後から、福島県から仙台市に避難してきた母子の支援も行っています。平成24年度には、「ママともサロン0123」を立ち上げ、同じ出身地の母親同士が交流できるような場を設けてきました。同じ境遇の母親と気軽におしゃべりができる、貴重なサロンとして活用されてきましたが、震災から時間が経つとともに、伊藤さんはニーズの変化を感じたと言います。
住んでいた地域や家庭環境に加え、震災後の状況も時間と共に個別化してきたため、抱えている悩みや課題を共有するのが難しくなったのです。伊藤さんは、現在母親たちが求めているのは閉鎖的な「おしゃべりの場」ではなく、より積極的な、外に向けた活動をする機会なのではないかと考えました。
そこでせんだいファミサポが平成26 年度から始めたのが、「福ガール’sプロジェクト」です。宮城県に避難してきた福島県出身の20 ~ 40代の女性たちが、ワークショップの企画や開催をボランティアとして行い、発信者になろうという取組みです。11月には「女性と防災せんだいフォーラム」に参加し、「福島が好き!話そう 今を未来を」を開催しました。
被災者自身が自らの体験や思いを語り、議論に参加することは、時として大きな困難を伴います。それでも、「自分たちの体験を小さい部屋の中に押しとどめておきたくない」という思いが、「福ガール」たちを動かしているのです。
「福ガール’s プロジェクト」実行委員会で打ち合わせをするメンバー
「福ガール’s プロジェクト」によるフォーラム開催の取組み
被災者のニーズに寄り添った支援が必要
震災から現在までを振り返って、伊藤さんは「支援をする時、ひとりよがりや、押しつけるような態度でいてはいけない。支援が必要な人たちの状況やニーズの変化にあわせて、支援する側も変わる必要がある」と話しました。
母親以外にも、被災者の中には高齢者、障害者、父親など、支援を必要としているさまざまな人たちがいます。伊藤さんは、「その人たちも助けなければならないし、助けたいと思う。しかし、私たちのような小さな団体には、すべての人の支援をすることはできない。だから、色々な限りがあるなかで、私たちは『被災した母親を支援する』ことを選んだ。だからこそ、精いっぱい、できる限りの支援をしたいと思う」と、これからも被災した母親の支援を続けていく意思を語りました。
現在の「のびすく仙台」
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