(社福)中野区社会福祉協議会
全職員による地域担当の取組みと「福祉何でも相談」を活かして ひきこもり支援と地域の居場所応援窓口を実施 ―中野区社協における重層的支援体制整備事業の取組み
掲載日:2022年10月25日

Ⅱ 重層的支援体制整備事業の実施状況

(1)重層的支援体制整備事業実施にあたっての準備

中野区社協は、重層的支援体制整備事業の5つの事業のうち、参加支援事業の「ひきこもり支援事業」と「区民による公益的な活動(地域の居場所提供型)の運営支援および立ち上げ支援事業」の2事業を受託しました。その他の事業は中野区のアウトリーチチームが中心になって、区が直営で実施しています。そのため、区と社協は、これまで以上に連携して事業を進める必要があります。中野区では、令和3年度から重層的支援体制整備事業への移行準備事業に取り組んでおり、令和4年度から本格実施するにあたり、お互いの事業の取組み状況の報告と共有を目的とした区と社協の定例の会議を開催してきました。会議では、社協から、「福祉何でも相談」の実績から感じている「ひきこもり支援」を拡充する必要性を伝え、そのことが参加支援事業として実施することにつながりました。また、区からは、コロナで地域活動が停滞していることが課題として出され、地域活動の再開の支援等を行う「区民による公益的な活動(地域の居場所提供型)の運営支援および立ち上げ支援」を地域づくりに向けた支援事業として実施することになりました。令和4年度も区と社協の連絡調整会議を年3回実施する予定です。また、移行準備事業では、区と社協が目指すべき方向性を共有するために合同研修会も実施しました。

 

重層的支援体制整備事業の実施に向けて、社協内でも課長会議や課長と課長補佐が出席する事務局会議で協議を進めるとともに、地域担当者会議や4圏域ごとの会議でも情報共有を図ってきました。重層的支援体制整備事業の一部を受託することで、地域福祉活動計画に掲げてきた「社会的孤立を生まない人と人がつながる地域づくり」を実現するためのひきこもり支援と居場所の支援という、もともと社協が取り組んできた事業を手厚くできるという共通理解のもと、自然な流れで準備を進めることができました。地域担当として全職員が地域の課題解決に取り組んできたこともあり、本事業を実施することについて、社協全体での理解はスムーズだったと感じています。

 

(2)中野区の重層的支援体制整備事業

中野区の重層的支援体制整備事業の各事業は以下のとおり実施されます。

 

(3)地域ケア会議を活用した多機関協働

中野区の地域ケア会議は、①中野区地域包括ケア推進会議(全区を所管)、②すこやか地域ケア会議(すこやか福祉センター圏域を所管)、③地域ケア個別会議(区民活動センター圏域を所管)の3層になっており、①と②はすこやか福祉センター、③は多機関協働事業を担うアウトリーチチームが開催します。中野区では多機関協働を15の圏域ごとに実施します。

【アウトリーチチームが開く地域ケア個別会議の3類型】

<支援会議>

社会福祉法106条の6で規定。本人同意は不要。構成員に守秘義務を設け、地域において関係機関等がそれぞれ把握していながらも支援が届いていないケースについて、個々の情報の共有や地域における必要な支援体制の検討行う。アウトリーチチームと支援関係者で構成される。

<重層的支援会議>

厚生労働省発出「重層的支援会議実施要綱」に規定。支援にかかわる関係者が参加し、本人の同意のもとで複雑化・複合化した個別事例の解決策を検討する会議。アウトリーチチーム、社会福祉協議会、支援関係者および本人で構成される。随時開催。

<連携会議>

中野区独自で設けた会議。社会資源の充足状況の把握のため情報交換を行ったり、個別事例の検討から見えてくる課題の整理を行う会議。アウトリーチチーム、社会福祉協議会地区担当、地域包括支援センター、その他支援関係者で構成される。支援会議と合わせて年6回程度開催。事例の有無にかかわらず、開催する。

 

取材先
名称
(社福)中野区社会福祉協議会
概要
(社福)中野区社会福祉協議会
https://www.nakanoshakyo.com/
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