中沢幸子さん
地域活動を通じてたくさんの人と関わり続ける
掲載日:2023年11月30日
2023年11月号 くらし今ひと

 

中沢幸子さん

 

あらまし

  • 児童の登校時見守りやさまざまなサロンなど幅広い地域活動に取り組み、スクーターで元気に江東区内を駆け回る中沢幸子さんにお話を伺いました。

 

区報を見てボランティアに

私は浅草で生まれ、4人姉妹の次女として文京区で育ちました。活発なタイプで、家族で唯一、車の運転免許を持っていたこともあり、父からはよく「お前が男だったら良かったのに(笑)」と冗談めかして言われたものです。26歳で江東区の中華料理店に嫁いだのですが、結婚して8年目に夫がALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。その後は3人の子育てをしながらお店を続けました。

 

30年間頑張ったお店を閉めてから何をしようかと考えていた時に、区報でボランティアを募集していることを知って、やってみることにしました。1つは消防庁の災害時支援ボランティアで、もう1つは町の美化活動です。そこからいろいろな活動を始めるようになりました。

 

朝のラジオ体操・太極拳サロンや子育てやカラオケのサロン、公園の花壇整備、小学校の出前授業、夜間のパトロールなど、現在約20の活動に携わっています。一日に7か所回る日もあって、朝6時に家を出て帰宅が夜の9時ということもありました。それでも、膝や腰が痛いということもなく元気です。やっぱり日課のラジオ体操がいいんじゃないかな。

 

一人暮らしの人が集まれる場を

私は音楽や歌うことが大好きなので、月に2回、カラオケサロンを企画しています。誰でも日頃から声を出した方が良いと思っているので、お茶やお菓子を用意して、みんなで集まって好きな歌を歌っています。参加者は5人から10人くらい。旦那さんと一緒に来る方もいますが、ほとんどは一人暮らしの高齢女性です。

 

ある時、いつもサロンに参加されていた方が2回連続でお休みしたことがありました。これは絶対おかしいと思って警察と消防に連絡したところ、すでにご自宅で亡くなられていたそうです。また、近所に住む方がお風呂場で倒れて亡くなっていたのが発見されたこともあり、最近は孤独死をなくすにはどうしたらいいのか考えるようになりました。

 

周りを見てみると、私と同じようにすでに夫を亡くして一人暮らしをしている高齢女性が多いので、そういう人が集まれる場をつくることが大切だと感じています。

 

改めて感じる両親の影響

近くの小学校の登校時の見守り活動もボランティアでやっています。孫の入学がきっかけで始めたので卒業に合わせてやめようと思ったのですが、学校からぜひと言われて続けることになり、通算で11年目になります。通りがかった人があいさつをしてくれたり、町中で子どもたちと顔を合わせた時に「(登校時見守りの愛称の)ストップさんだ!」と声をかけてくれたりするのが嬉しいですね。

 

いろいろな活動をしていますが、改めて考えてみると両親の影響があると思います。父は私のことをよくかわいがってくれましたし、戦争に行った時の話などもしてくれました。子どもや孫を大切にしていた母は歌や踊りが大好きで、老人会のお世話役を長く務めていました。

 

私も子育てサロンで泣いている赤ちゃんを笑わせたり、子守唄を歌って寝かしつけたりした時などは「やったー!」と思います。子どもたちの笑顔は本当に良いものですね。

 

ラジオ体操・太極拳サロンの仲間と

 

登校時の見守り活動

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